迫る「2024年問題」、物流業界の最前線に注目【後編】/国際物流総合展2023
どんな形状でももれなく吸着/シュマルツ
ドイツに本拠地を置く真空機器メーカーの日本法人、シュマルツ(横浜市都筑区、ゲッテゲンス・アーネ社長)は、パレタイズ・デパレタイズ向けの真空グリッパー「ZLW」を出展した。
可搬質量の小さいロボットとも組み合わせられるように、同製品の本体質量は軽い。本体部分がアルミ製のハニカム構造をしているため、軽量でありながら可搬質量は最大で35kgを誇る。会場では軽量グリッパーと思えないほどパワフルに稼働する様子を披露した。
グリッパーはワーク(把持対象物)を吸着した後、バルブを制御し真空状態を作る。そのため吸着面の大部分がワークに接触していなくても把持できる仕組みだ。
ブースには吸着面に取り付けるスポンジと吸着パッドも展示し、多種多様なワークに対応できることを訴求した。
担当者は「対象物のサイズや形状に合わせて選べるように、スポンジや吸着パッドの種類を複数そろえる。段ボール箱の他に缶詰や瓶なども搬送でき、幅広い業界に提案したい」とアピールする。
商社の自動化提案
輸入商社のリンクス(東京都品川区、村上慶社長)は、中国の産業用カメラメーカーHuaray Technology(ファーレイテクノロジー)のAMR「iRAYPLE(アイレイプル)」を出展した。
±5mmと高い停止精度を誇り、狭い通路など走行幅の限られる場所の稼働に向く。
ロボティクス事業部の牛垣雅人事業責任者は「高速な搬送を求める場合は2次元コード式を、作業者が同じスペースにいる場合はSLAM誘導方式を適用できる。最大で500台を同時に制御できるシステムを構築しており、効率的な搬送の自動化を提案したい」と意気込む。
(ロボットダイジェスト編集部 西塚将喜、水野敦志、斉藤安紀)
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