[特集FOOMA JAPAN]搬送と検査の自動化デモを披露/オムロン
ビジョンセンサーを標準搭載
オムロンは「現場の労働生産性と品質を革新 ~ロボットとAI・IoTで人を支援~」をFOOMA JAPAN2019の出展コンセプトに掲げる。
中でも注目は、人と一緒に働ける協働ロボット「TMシリーズ」。オムロンは2018年5月、TMシリーズを製造する台湾の協働ロボットメーカー、達明機器人(テックマン・ロボット)と戦略的提携を結んだ。その後10月には、オムロンブランドでもTMシリーズの販売を始めた。
最大の特徴は、ビジョンセンサーが標準で搭載されていること。「ランドマーク」と呼ばれる付属のプレートをTMシリーズの作業場に設置し、ビジョンセンサーと一緒に使う。TMシリーズを移設してもビジョンセンサーでランドマークを撮影すれば、TMシリーズ自身と対象物の位置関係をTMシリーズが判断し、移設時の誤差を自動で補正する。そのため、ロボットの細かな位置調整など、稼働前にするべき準備を効率化できる。食品工場や惣菜やコンビニ弁当などの中食工場での急な欠員対応などにも臨機応変に対応できる。
小間にはTMシリーズの体験コーナーも別途設け、TMシリーズの使い勝手のよさを来場者に実際に体感してもらう考えだ。
さまざまな技術を会場で紹介
ロボット製品ではTMシリーズの他、製造現場を縦横無尽に動き回る自動搬送ロボット「モバイルロボット LDシリーズ」も展示する。
本体に内蔵されたレーザーを使い、人や障害物を検知する。人工知能(AI)も搭載し、レーザーで検知した情報を基に最適な走行経路を自ら考えながら目的地まで進む。
18年12月に発売した画像センサーの新製品「スマートカメラ FHV7シリーズ」もFOOMA JAPAN2019で初披露する。画像処理用のコントローラーとレンズ、照明を一体化し、省スペースを実現した。後付けでも設置場所を選ばずに搭載でき、食品のラベルの文字検査などに力を発揮する。
この他、食品機械の稼働状況を可視化し生産性を高めるモノのインターネット(IoT)システムや、予知保全を実現するAI技術、原材料の計量や配合ミスを防止するシステム「QITEC(キューアイテック)」なども展示する。ロボットだけにとどまらない幅広いラインアップでFOOMA JAPAN2019に臨む。
人と協働ロボットで作業交代
①と③の番重から弁当を取り出す作業や検査後の弁当を番重に詰める作業は、協働ロボットのTMシリーズと人が交代で実施する。
TMシリーズと作業を交代する時は、人が手押し台車に載ったTMシリーズを所定の位置まで運ぶ。「台車の停止位置などが微妙にずれても、TMシリーズはランドマークをビジョンセンサーで認識することで位置補正ができ、切り替えの設定だけですぐに正確な動作に移れる。人と作業を交代しても、臨機応変に対応できることをデモで示す」とオムロンのインダストリアルオートメーションビジネスカンパニー(IAB)営業本部の木村直弘第3営業統括部長は語る。
また、④の番重の搬送には、モバイルロボットのLDシリーズを使用する。人や障害物を避けながら、最適なルートを考えて走行する様子を披露する。③の検査では、画像センサーのFHV7シリーズを提案する。