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2019.09.02

活用事例

[ロボットが活躍する現場vol.7]ロボットで歯車生産、協働型も使いこなす【後編】/岡本工機

歯車などを製造する岡本工機(広島県福山市、菊地正人社長)は、製造現場で積極的に産業用ロボットを使う。昨年新たに、安全柵なしで設置できる協働ロボットも導入した。「立ち上げ時には協働ロボットならではの苦労もあったが、設定などを工夫することでうまく使えている」と生産技術課の尾熊英成次長は話す。

省スペースで閉塞感もない

「省スペースでティーチングもしやすい」と話す尾熊英成次長

 岡本工機が協働ロボットを導入したのは、広島県府中市の府中工場。ファナック製の協働ロボットの14kg可搬タイプ「CR-14i A/L」を使って歯車の生産システムを構築した。

 「省スペースで設置でき、ロボットに動作を教えるティーチング作業もしやすく、見た目の閉塞感もなくなるため、協働ロボットを選んだ」と尾熊次長は言う。

ロボットを各種設備の真ん中に

ロボットを囲むように各種設備を配置

 自動化したのは、歯車の仕上げ工程だ。前工程でおおよそ歯車の形状になった加工材料の、端面や歯面を精度よく加工し、トレーサビリティー(追跡可能性)確保のためのレーザー刻印などをする。
 加工材料を①旋盤と呼ばれる加工機で端面や内面を精度よく削る②洗浄機で洗浄③レーザー刻印機にセットしてマーキング(刻印)④歯車研削盤を使い、歯面を砥石(といし)できれいに仕上げる――という順序だ。

人の侵入を検知するセンサー

 ロボットの周辺に「コの字型」に各加工機や洗浄機、刻印機などを並べ、加工材料の受け渡しなどをロボットにさせる。歯車研削盤での加工に最も時間がかかるため、その加工を待つ間に他の材料の洗浄やレーザー刻印などを済ませる。
 安全柵の代わりに、エリア内に人が立ち入るとロボットが停止するセンサーで周辺を囲い、安全性を確保した。

加工を待つ間に洗浄などを済ませる

「協働ロボットは動作が遅いことが弱点の一つだが、こうしたシステムでは最も時間のかかる加工に合わせてサイクルタイムが決まる。ロボットだけ速く動けても待機時間が増えるばかりなので、動作速度はあまり関係ない」と尾熊次長は言う。

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