製造業にとってAIは必然【後編】/武蔵精密工業
検査と搬送にまずAI
社外で実証実験を開始
検査工程向けにはAI画像検査システムを外販する。AIを使った製品表面の傷などを発見するシステムだ。これは自社で既に使用実績のあるもので、自動車部品メーカーの日鉄精圧品(愛知県半田市、川上浩一郎社長)の工場にも今年納入し、実証実験を開始した。実証実験の結果は現在のところ良好で、今年中に本格販売を開始する。既に引き合いも複数あるという。
同社の自動車部品(ベベルギア)の不良発生率は0.002%。ほとんど発生しない不良品を探すのは、負荷が高い作業と言える。また、「検査を担当するのは、信頼できる仕事をしてくれる優秀な人。そういった人材は現場の改善や加工条件の研究など、付加価値を高める仕事をすべき」と大塚社長は話す。
ユーザー視点で搬送車開発
検査と搬送をAIで自動化した後は、加工のさらなる高付加価値化にもAIを活用する。
切削で言えば一つの被削材に対しても加工条件は無数にあり、切削工具の刃先の形状をわずかに変えるだけで加工効率が変わることもある。
「たくさんの組み合わせの中から最適なものを見つけるのはAIの最も得意とするところ」と大塚社長は話す。
さまざまな工程に対応するAIシステムが出てくることで、「AIは今後10年で、現在のパソコンのようにどこの企業でも使う当たり前の産業インフラになるだろう」と大塚社長は予想する。
――終わり
(編集デスク 曽根勇也)
※この記事の再編集版は「月刊生産財マーケティング」2019年9月号でもお読みいただけます。
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