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2020.03.18

イベント

ユニークな自動倉庫や柔軟に使える搬送ロボット【その1】/国際物流総合展

2月19日~21日の3日間、東京都江東区の東京ビッグサイトで「国際物流総合展2020」が開かれた。225社・団体が出展し、各社が自動倉庫やソーター(仕分け機)などの物流機器を展示した。ユニークな方式の自動倉庫などが大きな注目を集めた。

イレギュラー開催となる2020年展

東京ビッグサイトで開かれた国際物流総合展

 国際物流総合展は、西暦偶数年の秋に開かれる物流関連の展示会だ。前回の第13回展は18年秋に開かれた。第14回展は本来であれば2020年秋の開催だが、五輪・パラリンピックの影響で開催時期が21年1月にずれ込んだ。
 前回展から期間が空いてしまうことと、物流ニーズの高まりを受け、通常の国際物流総合展とは異なる「国際物流総合展-イノベーションEXPO-」と銘打って開催したのが今回の国際総合物流展だ。

 東京ビッグサイトの西ホール1階で開催され、通常の国際物流総合展と比べ小規模だったが、3日間合計で約2万1800人の来場者が集まった。

収容力の高い倉庫システムやロボットピッキング提案

オカムラが展示したロボット倉庫システム「オートストア」

 大きな注目を集めたのがオカムラだ。同社はノルウェー・オートストアの国内唯一の正規代理店で、ロボット倉庫システム「オートストア」を販売する。
 オートストアは複数の四角いロボットが倉庫上部から専用コンテナを出し入れするユニークなシステムで、「面積当たりの収容力は平置き棚の3倍、自動倉庫の2倍と高く、近年導入事例が増えている」と物流システム事業本部マーケティング部の町田憲治次長兼課長は話す。オートストアは大型の設備だが実物を展示し、ブースには来場者が絶えなかった。

 また、コンテナから必要な商品を取り出すピッキング作業用に、ビジョンセンサー付きのロボットピッキングシステム「Right Pick(ライトピック)2」を紹介した。人工知能(AI)技術の一種である機械学習機能により、さまざまな物のつかみ方を覚えた「学習済み」の状態で出荷。初めて扱う商品でも適切に把持できる。
 AI機能により、障害物を避けながら自律的に目的地までカゴ車をけん引できる無人搬送車(AGV)「ORV(オカムラ・ロボット・ビークル)」も提案した。

 「ライトピック2は2月に国内販売を開始したばかりの製品で、これで倉庫からの出し入れに加え、そこから先のピッキング、搬送まで全て自動化できる。組み合わせて使ってもらえれば」と町田憲治次長兼課長は言う。

  • ロボットピッキングシステム「ライトピック2」は商品の事前登録が不要

  • AI機能搭載の無人搬送車「ORV」

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