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2021.10.22

イベント

[特集MECT2021 vol.6]ローディングだけじゃない

「メカトロテックジャパン(MECT)2021」では、工作機械に加工対象物(ワーク)を付け替えるローディング/アンローディング作業だけでなく、加工に付随するさまざまな作業の自動化提案も多い。工作機械に内蔵する機器の段取り(アタッチメント変更)作業や、加工後のバリ取りや測定などを人手からロボットに置き換える提案が相次ぐ。「vol.6」では、そうした多様なロボットシステムを取り上げる。

自動爪交換システムを初披露

豊和工業が展示した自動ジョー交換システム

 工作機械が多数展示される展示会ならではのシステムと言えるのが、自動ジョー交換システムだ。ジョーとは、旋盤にワークを固定するために使う機器の爪のこと。
 豊和工業(3D17)はジョーを自動交換する「オートマチック・ジョー・チェンジャー・システム(AJS)」を初披露した。爪を自動交換できるほか、交換後に振れ測定や、ワークの着脱もできる。
 ロボットが爪を固定するロックを解除し、爪を外してストッカーに搬送。別の爪をストッカーから取り出して装着する仕組み。ワークをつかむ把握力や精度の測定もできる。
 「自動車産業を中心に注目されている」(説明員)という。

切削工具メーカーもロボットシステムを展示

富士精工は協働ロボットでバリ取りを提案

 工作機械に取り付けて使う切削工具のメーカーも、ロボットシステムを展示する。協働ロボットのバリ取りシステムを参考展示したのは富士精工(2A13)だ。デンマークのユニバーサルロボットの協働ロボットの先端に、3Dプリンターで製作した自社開発の工具保持具とバリ取り工具を搭載する。ツールチェンジャーで工具保持具をロボットハンドに付け替えれば、1台でワークの搬送などにも対応可能だ。
 また、センサー内蔵ホルダーも参考展示。振動と温度センサーを搭載し、切削工具の異常を検知して予兆保全に役立てる。トヨタ営業課の高橋一郎課長は「『省人化への未来挑戦』とのテーマを見ていただきたい」と話す。

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