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2020.12.29

強化プラスチック製の小型ボートをロボットで積層造形/KUKA

 ドイツに本社を置くKUKA(クカ、日本法人=横浜市保土ヶ谷区、大田紘社長)は12月17日、イタリアのベンチャー企業がKUKAの産業用ロボットなどを使ってガラス繊維強化プラスチック(GFRP)を積層造形し、小型ボート「MAMBO(マンボ)」を製作したと発表した。日本法人の大田社長は「ロボットの剛性と軌道精度の高さが必要で、わが社の製品だからこそ実現できた事例」と胸を張る。

KUKAのロボットでGFRPを1層ずつ積み上げる

 マンボは、10月にイタリアのジェノバで開かれた船舶の展示会で披露された。全長は6.5m、幅は2.5mで、重さは約800kg。ロボットで積層造形したことで最適な構造を実現でき、強度を落とさずに従来の同等サイズのボートよりも2~3割軽量化できた。
 イタリアのボート製造のベンチャー企業、Moi Composites(モイ・コンポジッツ)が企画開発をした。KUKAや米国のCAD/CAM(コンピューター設計・製造支援)ソフトウエアメーカー、オートデスクの英国法人などが製造に協力した。

 製造時にはボートを100近い部位に分けて、部位ごとにGFRPを積層造形した。オートデスクのソフトで3次元モデルのデータを生成し、レーザーヘッドを搭載したKUKAのロボットがそのデータに従って3次元に加工した。
 今回の製法では樹脂成形に使う金型が不要で、少量多品種生産でも生産コストを削減できる。モイ・コンポジッツのガブリエレ・ナターレ最高経営責任者は「3次元の積層造形で、ボートのデザインの可能性が広がった。顧客の希望に合わせた独自のボートを作れる」と話す。

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