[特集 物流機器は新世代へvol.8]開梱・パレタイズシステムを開発、物流開拓に本腰/芝浦機械
コロナ禍で急増したニーズに応える
昨年4月に東芝機械から社名変更した芝浦機械は、工作機械・成形機メーカと知られているがスカラロボットをはじめ、直交ロボットや垂直多関節ロボットも製造するロボットメーカーでもある。同社は今後、物流分野の開拓に本腰を入れる。
「物流現場を支えてきた外国人労働者が新型コロナウイルス禍で確保できなくなったこともあり、コロナ禍が始まった頃から、急速に引き合いが増えた。物流をロボットで自動化して足りない人手を補いたいとのニーズは高い」と制御機械カンパニー制御機械営業部の坂田育洋部長は言う。
これまでも物流向けのロボットシステムを手掛けることはあったが、個別の顧客の要望に応えたもので、物流分野を狙った特別な取り組みはしてこなかった。今回初めて、物流の各工程を自動化するパッケージシステムを開発。本格的に、物流向けロボット市場の開拓を目指す。
「現物合わせ」だから切れる
積み重ねて輸送・保管される段ボール箱は、上に積まれた箱の重みなどで凹みや膨らみができるため、同じ種類の段ボール箱であっても寸法や形状がそれぞれわずかに異なる。そのため、位置制御だけの画一的な動きでカッターを動かすと、段ボールが切れていなかったり、中身まで切ってしまうリスクがある。
そこで、箱の凹凸を検知し、寸法や形状に差があっても、切り損じや切り込み過ぎを防げる特殊な制御を開発した。
「競合の開梱システムと比べ、作業が速いことが特徴。数秒で外周の4辺を切断できる」(坂田部長)
箱にバーコードを貼付すれば複数種類の箱に対応可能。また箱のサイズを自動で計測するオプションもあり、多種多様な段ボール箱を自動で開梱できる。