EVOが日本市場参入、中小企業にドイツのIT・IoTを/EVO Japan
安価ですぐ稼働
ドイツのEVOは日本法人EVO Japan(エボジャパン、茨城県日立市、ユルゲン・ウィトマン社長)を設立し、日本市場に本格参入する。金属加工の中小企業向けに強みを持つドイツのソフトメーカーで、生産計画・管理(PPS)/企業資源計画(ERP)ソフト「EVOコンペティション」を中心に、切削工具の管理ができる「EVOツール」、設備のリアルタイム稼働監視ができる「EVOパフォーマンス」などのシステムを提供する。EVOコンペティションで月額10万円、買い切りなら200万円から使える。無人搬送車(AGV)への動作指令に使えるソフトもあるという。
17年に使節団として来日
ウィトマン社長が日本への進出を検討し始めたのは2017年。EVO本社のあるドイツのバーデンビュルテンベルク州と、茨城県の日立地区産業支援センターとの地域間交流事業の一環で、使節団として来日した。
茨城県の中小企業を複数視察したが「どの企業も紙と人でさまざまなことを管理しており、アナログで驚いた。机に書類が積まれているなんて、ドイツでは中小企業でもあり得なかった」とウィトマン社長は話す。この状況を目の当たりにし、自社の製造業向けソフトが日本の中小企業のデジタル化に貢献できると考え、進出を決めた。
茨城県や日立市、日本貿易振興機構(ジェトロ)などの協力を得て19年に日本法人を設立。そこから各種ソフトの日本語版を作成した。「日本語訳が終わり、これからという時に新型コロナウイルス禍であまり営業活動ができなくなったが、先行して導入した4社で導入効果が確認できたこともあり、改めて日本での普及拡大を図りたい」とウィトマン社長は言う。
「1980年代には日本生まれのトヨタ生産方式の生産技術がドイツの製造業の改善に役立った。今度はドイツのデジタル化技術で日本の製造業に恩返しがしたい。小さなステップから始められるので、まずはドイツのデジタル化の方法を試してほしい」とウィトマン社長は話す。
(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)