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2022.02.10

新春ウェブセミナー開催「省力化、自動化で産業界に貢献」/日本物流システム機器協会

日本物流システム機器協会は1月25日、オンラインで「2022年新春ウェブセミナー」を開催した。経済産業省や国土交通省が関連施策を紹介するとともに、NX総合研究所(東京都千代田区、広島秀敏社長)の大島弘明取締役が特別講演として物流業界におけるデジタルトランスフォーメーション(DX、デジタル技術による業務変革)のトレンドなどを解説した。セミナーに先立ってあいさつした下代博会長(ダイフク社長)は「省力化、自動化を通して産業界に貢献したい」と意気込みを語った。

物流関連の施策や動向を解説

都内会場からオンラインで開催。画像は下代博会長(右)と横田修治事務局長

 日本物流システム機器協会は今年、新型コロナウイルス禍を考慮して例年開いてきた新春賀詞交歓会の開催を見送った。その代わりに開いたのが今回のウェブセミナーだ。会員や関係者など約90人がオンラインで参加した。

 セミナーに先立って同協会の下代会長があいさつし、「今後は今以上に人手不足の時代になり、より少人数で工場や物流センターを運営することが必要になる。省力化、自動化により持続可能な社会の実現に貢献しているとの自負を持ちながら、生産性のさらなる向上や新たな物流価値の創造といった産業界からの期待に応えていきたい」と述べた。

 続いて、経済産業省から製造産業局産業機械課の安田篤課長がオンラインで出席し、最近の政策などを紹介した。半導体不足が課題となる中で、日本の半導体産業を強化する一連の施策「半導体産業基盤緊急強化パッケージ」について説明した。「①国内製造基盤の確保」「②次世代半導体技術の確立」「③グローバル連携による将来技術の開発」の3ステップで半導体産業の継続的な発展を目指すという。
 また、コロナ禍での中小企業の経営を支援する制度なども併せて紹介した。

総合物流施策大綱を説明する国土交通省の高田公生課長

 国土交通省からは総合政策局物流政策課の高田公生課長が出席し、物流業界の現状や施策などを発表した。電子商取引(EC)の物販系分野が5年間で1.5倍に拡大したことや、倉庫業では労働力不足の傾向が続いていることなどを説明。
 また、今後の物流業界が目指す方針をまとめた「総合物流施策大綱(2021年度~2025年度)」の概要も紹介した。

「標準化が重要」と言うNX総合研究所の大島弘明取締役

 最後に、今年1月に日通総合研究所から改称したNX総合研究所の大島弘明取締役が「物流施策大綱を背景とした物流DXや物流標準化」をテーマに特別講演を実施。物流DXの概要を解説するとともに、「DXを進める前提は標準化」(大島取締役)として、物流業界の標準化の取り組みを紹介した。
 参考事例として、包装・梱包資材の標準化が先行して進む加工食品分野の取り組みに触れ、「物流業界でもパレットや荷物の外装の標準化を進める必要がある」と述べた。

(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)


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