[国際ロボット展 特別リポートvol.5]新製品・新ブランド続々/不二越、芝浦機械、伊藤忠マシンテクノス、オカムラ
高速、高精度の新機種/不二越
不二越は6軸垂直多関節ロボットの新機種「MZ Fシリーズ」を初披露した。2013年に発売した6軸垂直多関節ロボットの主力機種「MZシリーズ」のコンパクトさや中空構造の手首といった特徴はそのままに、動作速度と精度をさらに追求した。
「MZシリーズも発売当時は『世界最速』とうたったが、今回のMZ Fシリーズはサイクルタイムをさらに30~40%ほど短縮できる。また、軌跡精度も大幅に高まったため、搬送や組み立てだけではなく、部品の角部を削る面取りなどの加工にもアプリケーション(使い方)の幅が広がった」とロボット事業部企画部の河越克己副部長は語る。
7kg可搬の「MZ07F」、7kg可搬でロングリーチの「MZ07LF」、10kg可搬の「MZ10F」の3機種を小間の正面に置き、大々的にPRした。
MZ Fシリーズと合わせ、最新の制御装置「CFDs」も披露。容積が従来機比60%減、設置面積が同57%減とコンパクトで、狭い場所にも設置しやすいのが特徴だ。
大物を扱えるスカラを新発売/芝浦機械
芝浦機械は新型スカラロボット「THE800」と「THE1000」を発表した。会場ではTHE800を使い中型のバッテリーの搬送デモを披露した。
THE800と同1000は可搬質量が最大20kgと、スカラロボットとしては大型な製品。スカラロボットの特徴である高い動作速度を保つため、本体の軽量化と剛性(変形しにくさ)を両立し、把持した物を高速に動かしても本体が振れにくい安定性を追求した。THE800はリーチ長が最大800mm、THE1000は同1000mmと可動範囲も広い。
同社の制御機械カンパニー長も務める伊藤雅文常務執行役員は「芝浦機械といえば、工作機械も成形機も『大きな物を作るのが得意』。今後はスカラロボットがよく使われる電子・電気分野も、大容量バッテリーの扱いが増えるなど、重い搬送物が増える。大きな対象物を扱ってきたノウハウを生かした製品」と胸を張る。