[国際ロボット展 特別リポートvol.7]遠隔操作、いよいよ普及か!?/リモートロボティクス、モーションリブ、カットランドジャパン、人機一体
「2022国際ロボット展(iREX2022)」で新たに出てきたトレンドの一つが、「ロボットの遠隔操作」の提案だ。新型コロナウイルス禍でリモートワーク・テレワークという働き方が企業に浸透し、製造や物流の現場作業のロボット化も現実味を帯びてきた。Vol.5で取り上げたオカムラの双腕ロボット「PROGRESS ONE(プログレス・ワン)」も、一部に遠隔操作を取り入れる。他にも会場では、さまざまな企業が遠隔操作を提案した。
タッチパネルでロボットに指示/リモートロボティクス
昨年5月、川崎重工業とソニーグループがロボットの遠隔操作プラットフォーム事業を展開するため、共同で子会社を設立すると発表した(関連記事)。ロボット技術を持つ巨大企業が本格参入することで、ロボットの遠隔操作がいよいよ普及するのではと話題を呼んだ。そして12月1日に両社の出資で設立されたのが、今回展で川崎重工の小間の一部に出展したリモートロボティクス(東京都港区、田中宏和社長)だ。
力制御と位置制御を両立/モーションリブ
モーションリブ(川崎市幸区、溝口貴弘最高経営責任者)は、慶応義塾大学で開発されたリアルハプティクス技術の社会実装を担う同大発のベンチャー企業だ。リアルハプティクスは遠隔操作時の繊細な力覚制御を可能にする技術で、微妙な力感覚が遠隔地で再現され、遠隔地で物に触れた感覚が手元に精密にフィードバックされる。
ブースでは、協働ロボット2台を使い、遠隔操作や力触覚のフィードバックを体験できる展示をした。「通常は繊細な力覚制御と精密な位置制御は両立できないが、リアルハプティクス技術ならそれができる。ロボット側の改造は不要で、専用のICチップを組み込むだけで、協働ロボットにリアルハプティクス機能を付与できる」と緒方仁是取締役最高執行責任者(COO)は言う。