大型ロボットのテスト施設をオープン/HCI
さまざまなテストに対応
HCIは12月1日、板原工場の隣に「HCIテストファクトリー」を開設した。板原工場に隣接する貸工場の1階部分に、協働ロボット2台を含む10台のロボットを設置。大型から小型まで幅広いロボットをそろえ、さまざまなテスト案件に対応する。テストファクトリーの面積は約190㎡で、投資額は約3000万円。ロボットの他に、同社製のケーブル製造装置を2台展示する。
10台のロボットのうち最大は、ドイツのKUKA(クカ)の可搬質量270kgのロボットで、先端にスピンドルを装着し木材を切削加工する。それに次ぐのは川崎重工業の同80kgのロボット。箱の積み付け(パレタイズ)をし、ロータリーテーブルで荷役台(パレット)ごと回転させながらラップを巻く。物流作業を想定したデモだ。他に、可搬質量の大きいものから川崎重工業、安川電機、ファナックの産業用ロボットと、安川電機と川崎重工業の協働ロボットを展示する。
売上拡大の下地が完成
HCIテストファクトリーは、同社が対外的に情報発信をする施設として4拠点目。2018年に泉大津市商工会議所内に「HCIロボットショールーム」を開設し、20年に研究開発拠点の「HCIロボットラボ」、21年に産業用ロボットが調理をするカフェ「ロボハウス」を開設した。奥山浩司社長は「これで当初描いた構想が完成した」と話す。
4拠点と式内工場(泉大津市)内の設備を合わせ、導入したテスト用ロボットの台数は合計42台に上る。
最近では産業用ロボットを小売りや飲食業界でも活用する可能性が生まれており、ロボハウスはその先行事例。「4拠点を活用してさまざまな業界のニーズに応え、売上拡大につなげたい」と語る奥山社長。「今後、チャンスがあれば内製工場を拡大し、収益性を高めたい」と力を込める。
(ロボットダイジェスト編集部 松川裕希)