[気鋭のロボット研究者vol.29]既存のロボットにとらわれない独自構造【後編】/広島大学 村松久圭助教
一から作り上げたロボット
村松助教は3年前に独自構造のロボットの研究開発を始めた。「ロボットの制御技術の研究だけでなく、ロボットを一から開発してみたい気持ちが強かった」ときっかけを語る。
村松助教が開発した移動型四腕ロボットは、車輪での走行とアームでの歩行、物体の把持といった複数の機能を持ち合わせる。形状も従来のロボットとは異なり、本体の前方に付くアームの先端に車輪を備え、後方には2つの小さな車輪と3本のアームを搭載する。
車輪での走行時には、後方のアームが地面に触れないようにたたみ、歩行時には2本のアームを動物の足のように使う。村松助教は「整地と不整地で移動方法を使い分けできる」という。歩行に使わないアームの先端にフックなどを取り付けることで、物体の把持を可能にする。
遠隔操作の実現を目指す
村松久圭(むらまつ・ひさよし)
2020年3月慶應義塾大学大学院理工学研究科後期博士課程修了。同年4月日本学術振興会特別研究員。同年7月から現職。日本機械学会会員、日本ロボット学会会員、計測自動制御学会会員、電気学会会員。趣味は映画観賞など。休日にはしまなみ海道をサイクリングすることも。千葉県出身の29歳。