[特集 2023国際ロボット展vol.8]自慢のパッケージ製品を披露/マシンテンディング
横でなく、奥に動くローダーを披露
工作機械メーカーのシチズンマシナリー(長野県御代田町、中島圭一社長)は国際ロボット展に初出展する。
同社は近年、産業用ロボットのパッケージソリューション「FAフレンドリー」のラインアップを拡充してきた。FAフレンドリーは、工作機械の一種で同社が得意とする自動旋盤と組み合わせて使えるよう、ロボットシステムをユニットにして組み上げたもの。工作機械のオプションとして展開している。
出展の目玉は、今年10月に発表した「オンマシンローダー」だ。
自動旋盤「ミヤノBNA42SY」機上に直交4軸構成のローダーを搭載した。自動旋盤の加工室内に対象物(ワーク)を出し入れするために、上下するアームが2本あるダブルアーム構造を採用した。
アームが2本あることで、これから加工を施す正面主軸側にはワークを装着し、加工の終わった背面主軸側から取り外すなど2カ所のワークを同時に扱える。
アームの上下動は最速で毎分224mと速く、2.4秒でワークを出し入れできる。標準的な加工で8時間の無人運転を想定すると、約1000個のワークを生産できる計算になるという。
また、機上につけるローダーは、工作機械の横方向に移動するのが一般的。そのため、工作機械の横にワークを置くパレット台や次工程の加工機などを設置する。
しかし、今回のオンマシンローダーは工作機械の背面側に動く。ワークパレットを背面に置くレイアウトにした。
担当者は「自動旋盤の横側には、棒状の素材の自動供給装置であるバーフィーダーが付く例も多い。すると、ローダーを横方向には動かせない。棒材を扱うユーザーでも設置スペースを効率的に使える形を目指し、奥側に移動するローダーを開発した」と意図を明かす。
オンマシンローダー以外に、FAフレンドリーの「オンカートタイプ」なども展示する。
同タイプは、手押しできるカートの上に協働ロボットを置いたもの。ロボットの乗ったカートを中心に、ワークの収納棚を付けたユニットや、検査装置を付けたユニットなどを組み合わせることで、幅広い作業の自動化を実現できる。