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2024.05.17

活用事例

同人誌の通販倉庫にロボット自動倉庫を導入、物流の新規事業も/オートストアシステム、虎の穴

ノルウェーに本社を置くオートストアの日本法人、オートストアシステム(東京都中央区、安高真之社長)は4月17日、ロボット自動倉庫システム「AutoStore(オートストア)」の導入事例見学会を開催した。見学先は千葉県八千代市にある虎の穴(東京都千代田区、吉田博高会長・鮎澤慎二郎社長 )の物流施設「とらのあな物流センター(TLC)」。「オートストアで物流を大幅に効率化できた。現在は自社の物流に使っているが、今後は他社商品を預かって代わりに出荷する物流受託事業にも進出したい」と虎の穴の鮎澤社長は話す。

大幅な省スペース・省人化を実現

とらのあな物流センターで稼働するオートストア

 虎の穴は同人誌の委託販売を行う店舗「とらのあな」を運営する企業で、近年はインターネット通信販売に力を入れる。その通販用の商品を保管し、出荷するのが昨年11月から稼働するTLCだ。

 GROUND(グラウンド、東京都江東区、宮田啓友社長兼最高経営責任者<CEO>)がコンサルティングなどを行い、オートストア正規代理店のオカムラがロボット自動倉庫システム「オートストア」のシステムを構築して納入した。

 虎の穴の従来の物流拠点は複数階に分散して合計1万4900㎡程度だったが、オートストアを導入したことで1万1418㎡のワンフロアに集約できた。
 2万7000個の樹脂コンテナに、4万~5万個の商品を保管できる。入出庫に使うポートは21カ所。特殊なサイズや予約段階で完売になった商品はオートストアを介さずに人手で出荷しており、繁忙期は全体の約5割、閑散期は約8割をオートストアから出荷する。

オートストアシステムの安高真之社長(左)と虎の穴の鮎澤慎二郎社長

 「以前は人海戦術で物流をこなしていたが、近年はスタッフを集めにくく、物流の自動化が必要だった。オートストアを導入したことで必要な人員を5分の3以下に減らせただけでなく、商品の保管位置を覚える必要がないため、短期派遣のスタッフでも効率的に作業ができるようになった」と虎の穴の鮎澤社長は導入のメリットを語る。

 現在は自社商材の物流にTLCを使っているが、今後はTLCの余力を活用し、他社から商品を預かって注文に合わせて出荷する物流受託事業にも進出する考えだ。「現在もクリエイター から預かった同人誌を読者向けに出荷しており、物流の受託事業は既存事業との親和性は高い」と鮎澤社長は話す。

<次ページはオートストア安高社長のショートインタビュー>

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