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2024.07.05

埼玉にショールーム併設営業所を開設、東日本市場を開拓/HCI

ロボットのシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)のHCI(大阪府泉大津市、奥山浩司社長)は5月15日、埼玉県上尾市に埼玉営業所を開設した。埼玉営業所では配膳・運搬ロボットや業務用清掃ロボットを中心に取り扱う。複数メーカーのロボットをそろえ、「現場の状況や顧客のニーズに合わせて最適なロボットを提案できる。ぜひ一度実機を見に来ていただければ」と松本亮埼玉営業所長は話す。

工場での導入が増加

配膳ロボットや業務用清掃ロボットの東日本向けの営業を担当する松本亮所長

 HCIは各種自動機や、産業用ロボットシステムなどで豊富な実績を持つSIerだが、近年は配膳ロボットや業務用清掃ロボットの販売にも力を入れる。それら製品の販売を強化するため、東日本全体をカバーする拠点として開設したのが埼玉営業所だ。
 納入先は飲食店や小売り店、宿泊施設、倉庫など幅広いが、最近は特に工場向けが多いという。部品・製品の搬送や、工場の清掃向けに導入が増える。

 同社は中国のPudu Robotics(プードゥーロボティクス)、AUTOXING(オートシン)、OrionStar Robotics(オリオンスターロボティクス)の3社の代理店で、近々さらにもう一社の取り扱いを開始する。
 「一見同じように見えても、各メーカーのロボットの強みや特徴はそれぞれ異なる。複数メーカーを扱う代理店は少ないが、わが社なら各メーカーのロボットを適材適所で提案できる」と松本所長は話す。

ショールームには複数メーカーロボットを常設展示する

 例えば、プードゥーの清掃ロボット「CC1」なら1台で掃き掃除、吸引、ドライ清掃、ウェット清掃の全てに対応でき、部屋の端まで清掃できる。オートシンの配膳ロボットの最小モデルは横幅49cmで、幅55cmの空間を走行できるなど狭い空間でも使いやすい。オリオンスターの「LuckiBot Pro(ラッキーボットプロ)」なら人工知能(AI)音声機能を搭載し、音声での指示が可能だ。
 ロボットの専門知識がなくても扱えるため、商社やさまざまな販売店経由で販売することが多いが、産業用ロボットと連携させる場合などは直接ユーザーと契約し、システム構築まで担うケースもあるという。

各メーカーの実機を展示

「タブレットに慣れている人ならすぐに操作を覚えられる」と松本所長は話す

 埼玉営業所にはショールームを併設し、各メーカーのロボットを常時見ることができる。台数はタイミング次第で多少増減するが、最大11台のロボットを展示する。周囲を認識させるマッピングや、移動先などを指定する簡単なティーチング(教示)体験も可能だ。

 「メーカーや機種ごとに多少の違いはあるが、どの機種もスマートフォンやタブレットのような操作感で、それらに慣れている人ならすぐに扱い方を覚えられる。簡単な動作なら数分で設定でき、事前に登録しておいた設定を呼び出すだけなら数十秒あれば可能」(松本所長)。

その場でマッピングをして動作デモを見せられる

 同社の配膳・運搬ロボットや清掃ロボットの売り上げは一昨年から昨年で6倍に伸び、今年はさらにその2倍を目指す。「人手による搬送やベルトコンベヤー搬送から配膳・運搬ロボットに置き換えたいなどの要望が多く、従来からの産業用ロボットのSIer事業に加え配膳・運搬や清掃の面からも人手不足の改善に貢献していきたい」と松本所長は話す。

(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)

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