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2024.10.07

イベント

[国際物流総合展2024 vol.4]不慣れでも、自動搬送を簡単に/トヨタL&F、ハクオウロボティクス、リードテック、岡谷鋼機、山善ほか

9月10日~13日、東京都江東区の東京ビッグサイトでアジア最大級の物流総合展「国際物流総合展2024」が開催された。出展者数と来場者数は共に過去最多を記録するなど、会場は活気にあふれた。物流現場や生産現場の工程間では、物を移動させる作業が多い。そういった際に自動搬送を担う無人搬送車(AGV)や自律搬送ロボット(AMR)、無人搬送フォークリフト(AGF)では、不慣れな人でも簡単に扱える技術が多く提案された。

臨機応変に対応するAGF

トヨタL&Fの「自動運転フォークリフト」

 豊田自動織機の社内カンパニーで、フォークリフトなどの物流機器大手のトヨタL&Fは、「自動化・省人化」「カーボンニュートラル対応」「安全で快適な現場づくり」の3つをテーマにし、現場ごとのソリューション提案を展示した。

 中でも、開発中で参考出展した「自動運転フォークリフト」が注目を集めた。トラックへの自動荷役を実現する。画像認識による荷役台(パレット)の位置と姿勢の検出で、トラックの停車位置や積み荷が一定でない状況でも、自律的に判断して積み下ろしできる。
 9月にユーザー企業と実証実験を開始した。今年12月以降の実用化を目指すという。

 担当者は「物と空間を検出する3次元LiDAR(ライダー)やカメラのセンシング技術が重要。2020年ごろから人工知能(AI)の活用が本格化し、急速に技術が進んだ」と話す。

操作の再現や連動も

 他にもAGFを提案した企業が多かった。
 初出展のハクオウロボティクス(東京都荒川区、鈴木智広社長)は、AGF「AutoFork(オートフォーク)」を披露した。
 オートフォークは側面にセンサーを搭載しており、並べて置かれたパレットに沿って走行する間に、パレットの位置と個数を認識する。また、自動走行と手動走行を切り替えられ、作業者が手動で移動したルートを再現して自動走行する「プレイバック機能」も備える。
 鈴木社長は「小型で小回りが利くため、スペースの限られた場所でも運用しやすい。認識性能にも優れるため、パレットの位置が厳密でなくとも搬送できる」と自信を見せる。

 AGFのレンタルサービスを展開するリードテック(東京都中央区、前田春紀社長)は、ブース内で5台のAGFを連携させた。トラックからのパレットの積み下ろしや高い棚への積み込みなどを披露した。

  • 「オートフォーク」の滑らかな動きが好評という(ハクオウロボティクス)

  • リードテックはブース内でトラックからの積み下ろしなどを披露した

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