塗装ロボットが熟練工の技をまねる、日本市場のさらなる開拓へ/ABB
スイスのABBが日本でのシェア拡大に力を入れる。静岡県島田市のテクニカルセンターで2年ぶりにプライベートショー(PS)「ABB Paint Day(ペイントデー) 2019」を開き、新製品を始め熟練工の塗装動作を自動で再現できるロボットシステム、モノのインターネット(IoT)を活用した塗装機などを紹介した。7月8日から12日の5日間で自動車メーカーなどから130人以上が参加。記者向けに事前に開かれた説明会では「送配電事業を売却し、その力をロボット事業に注ぐ。競合メーカーの多い国内市場でさらなる開拓を狙いたい」とABB日本法人(東京都品川区、アクセル・クーア社長)の中島秀一郎ロボティクス事業部長は語った。
2年ぶりのPSで自動化技術を提案
ABB日本法人はPS「ABB Paint Day 2019」を、静岡県島田市にある技術開発拠点のテクニカルセンターで開いた。
PSは2年ぶりで「“未来の工場、未来の塗装”デジタル技術が変える塗装ライン運用」をテーマに新製品やシステムを紹介。7月4日にはABB製品を取り扱う商社や販売代理店向け、5日は記者向け、そして8日から12日にはロボットを使用する顧客向けに開催し、7日間で180人が参加した。
会場では暗黙知も含めた熟練工の動作を簡単にロボットに教えて再現できる教示ツール「SRP」や、センサーを搭載してIoT機能を持たせた塗装機の新製品「RB1000i-WSC」を使い塗装を実演。3次元データでロボットの動作や、ロボットが塗装の対象物にぶつからないかをチェックできるシュミレーションソフト「RobotStudio(ロボット・スタジオ)」など、同社の最新の製品や取り組みを披露した。