[創刊特別インタビュー]10年後が楽しみ/国際ロボット連盟津田純嗣会長
世界中の製造業界で産業用ロボットへの期待が高まっている。安川電機の会長であり、2017年末に国際ロボット連盟(IFR)の会長に就任した津田純嗣氏に世界市場の潮流や課題を聞いた。津田会長は「今後の10年は中小企業にとってのロボットのお試し期間。どうなるかすごく楽しみ」と期待を寄せる。
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世界中の製造業界で産業用ロボットへの期待が高まっている。安川電機の会長であり、2017年末に国際ロボット連盟(IFR)の会長に就任した津田純嗣氏に世界市場の潮流や課題を聞いた。津田会長は「今後の10年は中小企業にとってのロボットのお試し期間。どうなるかすごく楽しみ」と期待を寄せる。
オーストリア出身のシュミッツ・アレクサンダー准教授は、ロボットが人と共存し、同じ空間で働くために必要な技術を研究する。その一環で、多数の3軸センサーで構成されるロボットハンド用触覚センサーを開発した。「物をより器用に持つことが可能になる」と話す。
輸入商社のユーロテクノ(東京都杉並区、小原修社長)は、産業用ロボットを組み込んだオーストリア・アリコナの測定システム「Cobot(コボット)シリーズ」を日本で販売する。専用台車の上にデンマーク・ユニバーサルロボット製のロボットが載り、先端にアリコナの非接触式測定ヘッドが付く。ロボットは「協働ロボット」と呼ばれるタイプで、安全性が高いため柵で覆わなくても使える製品だ。
画像処理装置メーカーのデクシスが提案する「外観けんた君」は、腕が2本ある人型の外観検査システムだ。対象の製品をつかみ上げ、カメラの前にかざして検査する。「人と同じように目視検査ができる」と経営企画室の佐川幸世部長は自信を見せる。スイス・ABBの協働型双腕ロボット「YuMi(ユーミィ)」と、自社開発のカメラ「マルチプルイメージャー」などを組み合わせ、パッケージ化した。
前編ではシュミッツ・アレクサンダー准教授がこれまでに開発したロボットハンド向けセンサーを中心に紹介した。後編では近年特に力を入れる、協働型のロボットアームの研究を取り上げる。動作速度や価格などに強みを持つ、新たな協働ロボットの開発に成功。これを製品化して販売する会社も設立する計画だ。
ユニバーサルロボット(東京都千代田区、山根剛北東アジアゼネラルマネージャー)の協働ロボット「eシリーズ」は、2018年8月に出荷を開始した新製品だ。従来のシリーズ「CB3」の上位機種に当たる。前編では新たに追加した安全機能などを紹介したが、「eシリーズのロボットを通して安全性だけが協働ロボットの特徴ではないことも同時に知ってもらえれば」と山根剛北東アジアゼネラルマネージャーは語る。
グローリーは硬貨や紙幣の計数機を開発、製造する装置メーカーで、国内外の金融機関や小売店向けに大きなシェアを持つ。産業用ロボットを積極的に導入しており、以前からロボット活用を進めてきた埼玉工場に加え、2017年には兵庫県姫路市の本社工場にも協働型の双腕ロボットを導入した。
KUKA Japanが2017年1月に発売した「KMR iiwa」は、自社開発の自律走行する台車「KMP」(P=Platform)と協働ロボット「LBR iiwa」を組み合わせたパッケージ。特定の場所に固定して使うのではなく、自動でさまざまな場所を移動しながら作業するロボットだ。LBRはドイツ語で「軽量ロボット」、iiwaは「知的な生産アシスタント(intellig
東京都江東区の東京ビッグサイトで9月11~14日の4日間、アジア最大級の物流機器の展示会「国際物流総合展2018」が開かれた。2016年の前回展を1万人以上上回る7万4520人の来場者が集まった。人手不足を背景に作業の自動化や効率化の提案が注目を集め、特に産業用ロボットを展示したブースはどこも盛況だった。