未来の工場の姿をセミナーで提案/安川電機基調講演
会期1日目に展示ホールCのメインステージで、基調講演「ロボットが現場を変える」を開催し、安川電機(C32)の岡久学ロボット事業部長が「安川電機が考える未来工場 ~進化する姿~」をテーマに講演した。岡久部長は「自動化は単に省人化や省力化をするだけではない。自動化を通して見えるようになったデータによってさらなる価値を生む。データを活用することで、生産性や品質の向上につながる」と語った。会場は満員で、大勢の聴講者が耳を傾けた。
生産現場のロボット化と自動化を支援するウェブマガジン
REAL TIME REPORTING
会期1日目に展示ホールCのメインステージで、基調講演「ロボットが現場を変える」を開催し、安川電機(C32)の岡久学ロボット事業部長が「安川電機が考える未来工場 ~進化する姿~」をテーマに講演した。岡久部長は「自動化は単に省人化や省力化をするだけではない。自動化を通して見えるようになったデータによってさらなる価値を生む。データを活用することで、生産性や品質の向上につながる」と語った。会場は満員で、大勢の聴講者が耳を傾けた。
ヤマザキマザック(D01)は、協働ロボットセル「Ez LOADER(イージーローダー) 30」を組み合わせた自動化システムを展示している。工程集約が可能な複合加工機「INTEGREX(インテグレックス) i-200H S」と組み合わせ、多品種少量生産向けの自動化ソリューションを提案する。ハンドチェンジャーも搭載しており、径違いの2種類の被加工物(ワーク)の脱着からチャックの爪の交換までを1台の協働ロボットが担う。
CKD(C33)は、低天井エリアに設置可能なヒューマンアシスト機器フレックスアーム「FAWシリーズ」を展示した。同製品は全高が2.5mと低く、天井の低い場所にも設置が可能。また、動力に圧縮エアを使用し、最大50㎏の重量物を搬送できる。さまざまなワーク形状に対応し、加工機へのワークの取り付けや組み立て品の搬送などで活躍する。
東陽(E23)はデンソーウェーブの人協働ロボット「コボッタプロ」を展示した。最大の特徴は動作スピードで、作業者が近くにいない時は高速で稼働でき、ツール・センター・ポイント(TCP)の速度は最大で毎秒2500mmを誇る。また、プログラミングやティーチング(動作を覚えさせること)も簡単で、段取り替えもしやすい。
中村留精密工業(D50)は、作業者の負担を減らす「ロボット+ストッカーシステム」を、1スピンドル1タレットの複合精密CNC旋盤「SC-200ⅡL」に搭載して出展する。工作機械に設置することで、素材のロードから完成品のアンロード、パレタイジング、さらにツールの交換まで自動化できる。同社のストッカー「箱兵衛」を活用し、回収された完成品のパレタイジングまでのデモを披露する。
コスメック(D13)は、動力源が不要で人の手でなくロボットが自動でハンドを交換する新製品「メカ式ロボットハンドチェンジャー」をはじめとした多種多様なハンドチェンジャーやロボットハンドを展示している。「中部地方は動力源を必要としないハンドチェンジャーを求める声が他地域よりも多く聞かれる。そのため、初日から反響が非常に大きい」と営業部企画・広報室の佐藤直人室長は手応えを口にする。
シュンク・ジャパン(D19)は、空圧グリッパーなど多数の新製品を展示した。「フィンガー・クイック・チェンジ・システム BSWS-R」は、グリッパーの爪を自動で交換できる。爪を外す際はスライド動作を、新たに付ける際は差し込む動作をロボットがすることで、簡単に爪を付け替えられる。星野泰宏社長は「グリッパーごと自動交換するシステムに比べ、爪だけを複数用意すればいいため、省スペースでコストも抑えられる。他にも電気自動車(EV)の製造工程の自動化に特化した新製品なども開発しており、幅広い自動化ソリューションを提案したい」と語る。
RTJ2024の「開会レセプション」が初日の午後、Aichi Sky Expo(アイチ・スカイ・エキスポ)の会議室で開催された。
イマオコーポレーション(D07)は、協働ロボット用のメカ式ツールチェンジャー「SMARTSHIFT(スマートシフト) ロボットシステム」を展示している。
THK(D46)は、リニア搬送システム「VTSシリーズ」を参考出展した。リニア搬送システムはコンベヤーなどに比べて、高い位置決め精度や、複数ある搬送台それぞれを単独で制御できる特徴などを持つ。対象物(ワーク)を搬送台に乗せたまま、塗布や組み立てなどの作業をしやすいため、近年は特に注目を集める。THKのVTSも同様の特徴を持つ。さらに、搬送台に同社の直動案内装置「LMガイド」をベースにしたガイドで搬送台を稼働させる。そのため、複数のユニットをつなげて搬送経路を長くした際にも、がたつきを生じにくい。また、独自の給油方法で潤滑油を補給できるなど、LMガイドで培った知見を盛り込んだ。担当者は「リニア搬送システムでは後発だが、長年培ってきたLMガイドの特徴を取り入れることで、差別化を図る」と意気込む。