狭小スペース内の自動化を提案/ボーイングジャパン特別セミナー
会期3日目の特別セミナー「ロボットでこんなことも! 最新活用法」では、ボーイングジャパンの先端技術・ロボティクスエンジニアであるハテム・アブデルハミード氏が登壇し、「狭小スペースにおける作業自動化への挑戦」をテーマに講演した。
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会期3日目の特別セミナー「ロボットでこんなことも! 最新活用法」では、ボーイングジャパンの先端技術・ロボティクスエンジニアであるハテム・アブデルハミード氏が登壇し、「狭小スペースにおける作業自動化への挑戦」をテーマに講演した。
潤滑油やグリスなどを販売するbpジャパン(C46)のブースでは、仮想現実(VR)ゴーグルを使った体験ができる。産業用ロボットや風力発電機など、潤滑油が使われる場所について映像で学べる。
タマディック(E51)は、協働ロボット2台に3Dカメラを取り付け、コネクターの挿入作業を自動化した。同社が開発した、ロボットの位置補正技術を活用しており、ロボットの動作に補正をかけられる。高橋良幸プロジェクトマネージャーは「コネクターを挿入する際に、位置や角度が少しでもずれると失敗してしまう。わが社の技術なら数十ミクロン単位でロボットの動作を制御できるため、精密な作業も自動化できる」と自信を見せる。
三機(D44)は協働ロボットを台車ごと連結する製品「ガッチャンコ」をアピールする。製品名は、「ガッチャンコ」と台車を連結させる音から命名した。接続後の再位置出しは不要。新型モデルでは、ハンドルを回すことで最大150mmの高さ調整ができる。吉田勝彦取締役は「コミカルなPRソングを作って気合は十分」と意気込んだ。
ロボットの遠隔操作プラットフォームサービスを手掛けるリモートロボティクス(E8)は、ブース内からロボットを遠隔操作するデモを披露した。会場の豊電子工業(E5)のブース内のロボット3台と、会場外の2カ所で稼働するロボット2台を、1人の作業者が遠隔操作する。担当者は「外観検査システムで人工知能(AI)が判定し切れない場合などに、作業者に通知を送る。対応の優先度なども表示するよう設定できる」と説明する。
シナノケンシ(D12)は、自律走行型搬送ロボット(AMR)「Aspina(アスピナ)AMR」を出展した。協働ロボットと組み合わせ、搬送後のワーク(対象物)の載せ換えも自動化できる。企画営業部マーケティング課の宮下秀一係長は「ワークの搬送だけでなくその後工程も自動化したいとの要望が増えているため、簡単なシステムならわが社で構築できるような体制を整えた」と話す。
オリエンタルモーター(C16)は、小型ロボット「OVRシリーズ」をブースに展示。新たに3軸の直交ロボットを開発した。「配線も少なく簡単に設置できるため、立ち上げ時間を短縮できる。OVRシリーズは垂直多関節ロボットや水平多関節(スカラ)ロボットの他にパラレルリンクロボットも開発中で、ユーザーの要望に合わせた提案ができれば」と担当者は説明する。
SSI(C28)は、台湾テックマンロボット製協働ロボットを使い、部品の自動検査デモシステムを構築した。部品が適切に組み立てられているかと、表面きずの有無を検査できる。竹内千洋常務執行役員は「ロボットにカメラと人工知能(AI)が標準搭載されているためシステムを簡単に構築できる。自動車業界の来場者などに提案したい」と語る。またブースでは協働ロボットのティーチング体験も実施する。
Mujin(ムジン、E02)グループのMujin Japanの荒瀬勇最高経営責任者(CEO)は「わが社では中部地域の売上比率が伸びており、今後一層この地域に力を入れる」と話す。今回展でも工場物流をテーマに国内初披露のシステムなどを展示し、新規顧客の開拓を目指す。「事前のコンサルティングから設備の設計、設置工事まで一貫して対応できるので、自動化を検討される際はぜひお声がけいただければ」(荒瀬CEO)。
直動案内機器メーカーの日本ベアリング(D36)は、各種アクチュエーターなどを出展する。特に、製造現場への提案として、アクチュエーターを組み合わせる直交ロボットなどを展示して訴求する。高額な垂直多関節ロボットでなく安価な直交ロボットで、設計や制御なども容易にする簡素化をアピールする。また「単軸アクチュエーターの繰り返し精度は1μmレベルで、より高レベルなニーズにも応えられる」と、担当者は胸を張る。