4社共同でロボシステムを提案/日本工作機械輸入協会
4社共同で「見せる」
今回のロボットシステムの構築に参画したのは、機械商社のNKワークス(東京都千代田区、井坂敏郁社長)、輸入商社のキャプテンインダストリーズ(東京都江戸川区、山下宏社長)、工作機械の修繕・改造やロボットシステムの構築を手掛ける三宝精機工業(横浜市戸塚区、金子一彦社長)、イタリアの計測機器メーカーの日本法人マーポス(東京都大田区、マルコ・ゾーリ社長)の4社。
構築したのは、ロボットによる自動測定ラインだ。
マーポスの小型シャフト部品向け非接触式シャフト測定機「オプトフラッシュ」と、マーポスが所有するファナック製多関節ロボットを組み合わせた。同社は昨年、「第29回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2018)」でオプトフラッシュと協働ロボットを組み合わせたロボットシステムを展示した。それが今回の企画のスタートになったという。
協働型ではない多関節ロボットを使うには安全柵が要る。そのため、スウェーデンのアクセレント製の安全柵「X-Guard」を取り扱うキャプテンインダストリーズに声をかけ、同協会会員による共同実演の輪が広がった。
同社の商材では他にも、ロボットのティーチングペンダント(手持ちの操作盤)を破損から守る米国ロボワールド製のペンダントアーマーなどを活用した。
また、NKワークスが取り扱うフランスのデジタルウェイ製ロボット・モニタリング・システム「セーフパイロットfor ROBOTS」で、システムの挙動を監視し、異常を検知する提案も。ロボットに対応したモニタリングシステムは珍しく、「会場内を見回しても、セーフパイロット以上の最先端技術には出会わなかった」と語る来場者もいた。
それらを取りまとめて一つのシステムとして構築したシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)が三宝精機工業で、金子社長は「ロボットを中小企業にこそ紹介したい。中小企業の来場者が多い本展でロボットシステムを展示する意義は大きい。ロボットがやっていることを正確には分からなくても、来場者には『見せること』が大切」と力強く語る。
海外製品の魅力生かす
テクニカルショウヨコハマは今回で40回の節目を迎えた総合的な工業技術展で、800以上の企業や団体が出展し過去最大の規模となった。
日本工作機械輸入協会で企画委員を務め、今回の企画を主導したマーポスの勝又峰行さんは「協会としての出展は前回に続き2回目。規模感や来場者層が『ちょうどよい』。海外製品の魅力を生かし、日本市場にはない提案を積極的に展開して新規顧客の開拓につなげたい」と話す。
協会内では、商材同士が競合する企業も少なくないが、今回は参加企業が互いの良いところを出し合った。また、日本にはない特徴的な海外製品の最先端の組み合わせを提示できたのは、同協会ならでは。共同で実演した4社の他にも、会員企業6社が工作機械や機器、工具など、特徴や種類が豊かな海外製品をアピールした。
――終わり
(ロボットダイジェスト編集部 芳賀崇)