[特集FOOMA JAPAN]序論:ロボットが食品産業を救う(1/3)
右肩上がりの食品製造市場
食品、化粧品、医薬品は「三品(さんぴん)産業」と呼ばれる。まだまだロボット活用が進んでおらず、経済産業省が2016~18年に実施した「ロボット導入実証事業」などさまざまなところで「今後ロボットを普及させるべき分野の一つ」として挙げられている業界だ。
三品産業の中でも人々の生活に欠かせないため、特に大きな市場を持つのが食品産業だ。市場規模は自動車産業に次ぐとも言われる。5月28日に発表された「平成30年度食料・農業・農村白書」では、2017年の概算値で食品製造業の国内生産額は37兆7000億円、関連流通業は32兆4000億円、外食産業は28兆9000億円だった。外食産業は店舗で食材を調理することもあるが、チェーン店ではセントラルキッチン(集中調理施設)で大量生産することが多く、ここも自動化のターゲットになりえる。
食品製造業、関連流通業、外食産業の合計生産額は、12年には89兆5000億円だったが、5年後の17年には99兆円となった。少子高齢化が進む中、多くの産業で国内市場の縮小が懸念されるが、食品産業は右肩上がりを続ける。