23日から開催のMECT2019、新方式や新提案の自動化が目白押し
10月23日~26日の4日間、名古屋市港区の名古屋市国際展示場(ポートメッセなごや)で開かれる工作機械見本市「メカトロテックジャパン(MECT)2019」では、新方式、新技術を採用した自動化提案が数多く披露される見通しだ。例えば、新方式の機上計測システムや、ツールプリセッターをロボットで全自動化したシステムなどが展示される。バリ取りや洗浄の自動化を提案する企業もある。人手不足が深刻化する中、製造現場の自動化は喫緊の課題だ。各社の最新の自動化提案は、MECT2019の大きな見どころの一つと言えそうだ。
加工以外も進む自動化
MECTは2年に一度、製造業が集積する中部地方で開かれる工作機械見本市。西暦奇数年に開催される工作機械見本市としては国内最大級の規模で、ここ数回は9万人以上の来場者を集める。
工作機械にロボットなどを付加する機械加工の自動化提案はもちろんのこと、これまで自動化が進んでいなかった加工以外の工程を自動化するシステムも数多く展示される見通しだ。
加工以外で近年自動化提案が活発な工程の一つが、計測だろう。加工後の部品が要求寸法通りにできているかを、現在は人が計測機器を使って確認することが多いが、工作機械に測定ユニットを組み込み、加工後にそのまま自動測定する機上計測が注目を集める。
接触を検知する探針(タッチプローブ)を使う方式が最も一般的だが、MECT2019で全く新たな方式を披露する企業もある。
機上計測に2つの新方式
一つが、加工後の部品の厚みを計測するもの。
航空機部品では強度を維持しながら軽量化を図るため、多数のリブを設けた部品が多いが、リブがあると凹部の厚みが測定できない。現在はこうした物は、超音波を使った特殊な手持ち計測器で測るが、これを機上でできるようにした。
「特殊だが、マッチする企業にとっては非常に便利なシステム」と山下社長は言う。
もう一つが、ラインレーザーでスキャニングする非接触の機上計測システムだ。50㎜程度の幅でラインレーザーを当て、1秒で3万6000カ所の高さを計測。点や線ではなく、面で3次元形状データを取得する。加工後の金型の形状計測など、多様な使い方ができる。
「機上計測は補正加工もしやすく、信頼性を確保する方法も確立されている。狙い寸法からのずれの傾向をビッグデータとして解析すれば、品質を安定させ、工具の寿命を最大限生かせるなど、メリットは多い」(山下社長)。
その他にも工作機械用のロボットシステムやロボット周辺機器など、自動化関連の製品を多数展示する計画だ。