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2019.09.30

スマート工場をワンストップで提供/チームクロス FA

最新の自動化技術を導入したスマート工場をワンストップで提供する企業連合Team Cross (チームクロス) FA が8月に発足した。ロボットのシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)などが幹事企業として参画する。「今後日本は生産技術を輸出すべき。海外では大規模な工業団地の造成が進んでおり、数千億円の売り上げ規模も狙える」と複数の幹事企業の代表を務める天野真也社長は言う。

工場建屋やITシステム、人材まで全てカバー

チームクロスFAの全体像

 チームクロスFAの幹事会社は、生産シミュレーションソフトウエアなどを販売する FA プロダクツ(東京都港区、貴田義和社長)、ロボットSIerのオフィスエフエイ・コム(栃木県小山市、飯野英城社長)、ロボットシステムの概要を決める構想設計の専門会社ロボコム(東京都港区、天野真也社長)、生産設備や各種補助具を製作する日本サポートシステム(茨城県阿見町、天野真也社長)、ロボットのパッケージシステムを量産するロボコム・アンド・エフエイコム(東京都港区、天野真也代表・飯野英城代表)の5社。

公式パートナーが担う役割

 公式パートナーには鹿島建設、電通国際情報サービス、日研トータルソーシング(東京都大田区、清水浩二社長)、日立システムズ(東京都品川区、北野昌宏社長)、ミツイワ(東京都渋谷区、羅本礼二社長)が名を連ねる。

 幹事会社と公式パートナーが連携し、チームクロスFAとして受注することで、産業用ロボットなどを組み込んだ生産ラインだけでなく、工場の建屋からIT・モノのインターネット(IoT)システム、人材派遣や人材教育、設備の保守まで、最先端の工場に必要なものをワンストップで提供できる。

マルチベンダー主導で顧客に最適なものを

「さまざま製品の中から顧客に適したものを提供できる」と貴田義和社長

 8月27日には創立発表の記者会見を都内で開催。各幹事会社の社長などが、この企業連合のコンセプトやターゲット市場、各企業の役割、今後の展望などを紹介した。

 チームクロスFAとして受注した案件の全体的なコーディネートを担当するFAプロダクツの貴田社長は「製造設備や生産システムのベンダー(販売会社)側が中心となる企業連合は他では聞いたことがない。メーカー主導ではそのメーカーのものしか提供できないが、幅広いメーカーの製品を扱うマルチベンダーが中心なので、顧客に本当によいものの組み合わせを提案できる」と語った。

 オフィスエフエイ・コムの飯野社長は、案件の受注から提供までの流れを説明。その中で、理想とする組み立てラインのあり方にも言及し、「今後は『超フレキシブル生産ライン』が求められる。コンベヤーの脇にロボットを並べるのではなく、無人搬送車(AGV)で製品を搬送しながら必要なロボット作業ステーションに立ち寄って製品を完成させる方式だ。カスタマイズが必要な製品だけカスタマイズ工程のステーションに寄ればよく、工程の組み換えなども自在にできる」と持論を述べた。

  • 受注後の流れを説明する飯野英城社長

  • チームクロスFAが目指す超フレキシブル生産ライン

「今後日本は生産技術を輸出すべき」と天野信也社長

 ロボコムの天野社長は「自動車やコピー機のような、部品点数の多い複雑な製品を製造するのは日本のお家芸。これからはその生産技術を輸出すべき。タイやベトナム、ミャンマーなどでは大規模な工業団地の造成が進む。発展途上国で固定電話が普及する前にスマートフォンが広がったように、いきなり最先端のスマート工場が広がってもいい。今回強力なパートナー企業に参画してもらったことで、2025年にはチームクロスFAとして数千億円の企業規模も十分に狙える」と自信を見せる。

(編集デスク 曽根勇也)

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