ロボットが金属を削る! 主催者企画が示す加工の新たな可能性/メカトロテックジャパン2019(1/3)
今年最大級の工作機械見本市「メカトロテックジャパン(MECT)2019」が10月23日から、名古屋市港区の名古屋市国際展示場(ポートメッセなごや)で開催される。毎回会場で実演展示する主催者企画「コンセプトゾーン」の今回のテーマがロボットに決まった。会場では、人手不足の解消や生産性向上を実現する4つのロボットシステムが提案される。また会期中には、自動車や航空機に加えロボットをテーマとする講演も予定する。
人手不足の解決策
「コンセプトゾーン(CZ)」とは、注目される産業や素材、加工技術にスポットを当て、会場内で加工などを実演する主催者企画だ。2015年展では「マグネシウム」、17年展では「宇宙」をテーマに加工実演などを披露した。
今回展のテーマは「ロボット」。近年は、人手不足の解消や生産性の向上のため、大企業だけでなく中小企業でも産業用ロボットへの関心が高まる。
CZだけでなく会期中開かれるセミナーでも「広がるロボットの可能性」をテーマに2つの講演を予定する。セミナーでは他に、自動車や航空機について大手メーカーや大学から登壇者を招く。セミナー聴講の申し込みは、公式ウェブサイトから登録できる。ただし、定員に達し次第受け付けは締め切られる。
中小必見のロボ活用法
今回展のCZは、AからDの4つのゾーンに分けられる。
Aゾーンは「ロボット切削で広がる可能性」、Bゾーンは「軽くて小さいロボットはこう使う」、Cゾーンは「重筋作業を肩代わりする」、Dゾーンは「小型部品を一緒に器用に組み立てる」をテーマに用意する。
最近はロボット本体の性能だけでなく、ソフト面の進歩で使用の幅が広がりつつある。金属加工業界ではこれまで、産業用ロボットは工作機械のそばで被削材の脱着や搬送などに利用されてきたが、そのロボットが自ら切削工具を持ち、被削材を削る日がやってきた。
それを見られるのが、トライエンジニアリング(名古屋市守山区、片山誠二社長)、イワタツール(名古屋市守山区、岩田昌尚社長)、安川電機が協力したコンセプトゾーンAだ。トライエンジでは開催日に向け、切削加工システムのさらなる改良を進めている。
本記事ではコンセプトゾーンAのロボット切削について深掘りして紹介する。