[特集FOOMA JAPAN]速報リポート! 今年のFOOMAはロボットだらけ【後編】
食品業界に特化したSIer
前編ではロボットメーカーの展示を中心に紹介したが、食品向けのロボットシステムを提案するSIerもFOOMA JAPANには出展している。
食品業界向けの自動化システムを得意とするケイズベルテック(東京都足立区、里薗勝成社長)は、川崎重工業の「duAro(デュアロ)」を使い、コンベヤーから流れてくる食品を持ち上げ、別のコンベヤーに乗せるシステムを展示した。
会場ではレトルト食品の搬送を展示したが、実際には包装されていない食材を扱うシステムが多いという。同社はベルト部分が金網でできたコンベヤーのメーカー。直接食品を乗せ、コンベヤーごと蒸し器や熱した油、フリーザーなどにくぐらせ、食材を搬送しながら加工する。「その加工後の食材をロボットで搬送することが多い」と里薗社長は言う。
同社は昨年設立したFA・ロボットシステムインテグレータ協会(SIer協会、会長・久保田和雄三明機工社長)の設立メンバーの1社。SIer協会の中でも食品業界を得意とする会社は少ないが、「わが社は50年にわたり、食品工場の自動化に特化してきた。食品業界ならではのニーズを取り入れた提案ができる」と里薗社長はアピールする。
食品機械メーカーもロボットを使ったシステムを提案
食品機械や検査装置のメーカーがロボットを組み込んだシステムを開発し、提案するケースも目立った。これらの企業も広義にはSIerと言える。
食品や医薬品製造用の各種設備を製造するOMC(名古屋市中区、尾上稔社長)は、安川電機のロボットと日立インダストリアルプロダクツ(東京都千代田区、小林圭三社長)の低床式無人搬送車「Racrew(ラックル)」を組み合わせ、食品の攪拌(かくはん)システムを構築した。
材料を入れた複数の缶をラクルーで搬送し、大型のロボットで大きな一つの容器に移し替える。その容器を別の大型ロボットがつかみ上げ、中身がよく混ざるように回転させるシステムだ。ロボットを使うことで複雑な動きができるため、従来の回転型混合機よりも攪拌効果が高い。