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2019.10.23

[MECT会場速報vol.1]本日開幕!名古屋の工作機械展でロボット提案相次ぐ

本日、10月23日からの4日間、名古屋市内のポートメッセなごやで工作機械の展示会「メカトロテックジャパン(MECT)2019」が開かれている。隔年開催で、西暦奇数年の工作機械展としては国内最大規模。今回展には過去最大の477社・団体が出展する。驚かされるのが会場内での産業用ロボットの多さだ。会場内の至る所で、工作機械や測定機器とロボットを組み合わせた提案が見られた。

工作機械の制御装置でロボットも制御

ロボットの展示も多いメカトロテックジャパンの会場

 MECTは、工作機械で金属部品を加工する製造業向けの展示会だ。金属加工業界での産業用ロボット普及のボトルネックは何か――。その一つは、工作機械とロボットの制御方式やプログラミング言語などが異なることだろう。そのため、人手不足で自動化の需要があっても「工作機械は使えるがロボットは使えない」という金属加工会社が多く、普及の妨げになっていた。
 この課題に対する解決策が、今回展では大きな注目を集めた。

三菱電機は「ダイレクト・ロボット・コントロール」機能を紹介

 解決策を提示した企業の一つが、三菱電機だ。三菱電機はロボットメーカーでもあるが、工作機械メーカー向けに工作機械用の制御装置(NC装置)を販売するNC装置メーカーでもある。
 NC装置の画面から、工作機械の動作プログラムを入力するようにロボットの動作プログラムを入力できる技術を披露した。「ダイレクト・ロボット・コントロール」という機能で、NC装置「M800/M80」で使用できる。
 会場では、自社のロボットと、簡易的な加工ユニットを組み合わせた展示機でこの機能を披露した。「ロボットと工作機械、双方の所要時間を一つの画面で確認できるため、タクトタイムを確認しやすいと好評」と説明担当者は話す。

ファナックの展示システムでは、ロボットを感覚的に動かせる

 ファナックもNC装置から産業用ロボットを制御する技術を参考出展した。同社もロボットとNC装置の両方を製造するメーカーだ。NC装置からのプログラム作成の他、ダイヤルを回して操作する工作機械用のパルス発生器を使い、ロボットの手動操作を提案した。感覚的な操作が可能で、ロボットに動作経路を記憶させるティーチングや、ロボットが周辺装置などに接触してしまった場合の原点復帰などに利用できる。

 説明員に詳しい技術説明を求める来場者も多く、「ロボットを使ったことがない人でも操作がしやすく、反響は大きい」と小嶋邦夫常務理事は話す。

多種多様なシステムを提案

広範なネットワークをアピールするユアサ商事

 他にも、産業用ロボットに関する展示は会場の至る所で見られた。

 ユアサ商事はロボットシステムを展示の目玉に据え、自動化への注力をアピールする。ファナックの協働ロボットと日本電産シンポの無人搬送車(AGV)、ダイフクのワイヤレス給電システムを組み合わせたシステムなどを展示。
 「幅広いメーカーの製品を取り扱い、システムインテグレーターのパートナーも数百社いる。ユアサ商事ならではのネットワークをアピールしたい」と千葉岳雄執行役員は意気込む。

オプトンはパイプの曲げシステムを展示

 オプトン(愛知県瀬戸市、與語照明社長)は、産業用ロボットでパイプの曲げ加工をするシステム「WINロボットベンダーシリーズ」を展示した。
 ロボット1台で曲げ加工だけでなく、パイプの付け外しなどもでき、別途ローディング装置を導入する必要がないためコストを抑えられる。国内外で多数の実績があるシステム。

日本ピスコは鋼板用の吸着パッドなどをアピール

 空気圧機器メーカーの日本ピスコ(長野県岡谷市、清水義文社長)は、小間内にロボットを設置し、鋼板の搬送を実演した。

 「ロボット先端の吸着パッドや、吸引力を生み出すエジェクターの種類が豊富なことをアピールしたい」(販売会社ピスコ販売の川田征宏中部営業部次長)と意気込む。

THKが展示した昇降アーム付きのAGV

 AGVで移動実演する企業も複数あり、THKは独自開発のAGV「SEED-Lifter-Mover(シード・リフター・ムーバー)」をアピールした。
 全方向に移動が可能な特殊な車輪を装備し、真横への異動やその場での旋回などができるため、狭い場所でも使いやすい。昇降アーム付きで、搬送物を720㎜の高さまで持ち上げられる。

 今回取り上げた他にも、多数のメーカーとコラボレーションしてさまざまな製品を展示した工場自動化(FA)機器商社ダイドーのブースなど、ロボット関係の展示は多い。それらの詳細はVol.2以降で紹介する。

(編集デスク 曽根勇也)

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