[注目製品PickUp!vol.20]価格そのまま、性能アップ! スカラロボの旗艦製品【後編】/ヤマハ発動機「YK400XE」
小物部品の組み立てや整列、検査に
中国の展示会で初披露
従来機種は、中国や東南アジアの市場向けに「ローコスト」に重点を置いて開発した。福川営業部長は「欧米市場では製品のスペックやサービスなどの対応力を求められることが多い。一方、中国や東南アジアの市場で重視されるのは価格。製品のスペックが変わらなければ、後は価格勝負だった」と分析する。
しかし、従来機種を発売した14年ごろからは市場環境が様変わりした。中国などのローカルメーカーがこの6年間で台頭した他、日系の競合メーカーも低価格帯のスカラロボットに注力し始めたという。
競合と差別化するため、従来機種にさまざまな改良を加えたYK400XEを開発した。前編でも紹介したように、価格はそのままに最大可搬質量を1kg高め、標準サイクルタイムも約10%短縮して性能強化を図った。
同社は、19年9月に中国の上海で開かれた工業見本市「中国国際工業博覧会」でYK400XEを初披露した。「現地の代理店は、製品価格に対して理解や期待感を示してくれた」と福川営業部長は手応えを語る。
日本でも、19年10月初頭に大阪市内で開催された「第22回関西機械要素技術展」に出展。また、10月下旬に名古屋市内で催された工作機械見本市「メカトロテックジャパン2019」でもロボット商社のダイドー(名古屋市中村区、山田貞夫社長)の小間で実機を展示し、来場者の大きな注目を集めた。
今年12月に東京で開催される「2019国際ロボット展」にも展示する予定だ。