
[ロボットが活躍する現場vol.9]協働ロボで現場革新【後編】/日産自動車
日産自動車の横浜工場は、2014年から協働ロボットを使った自動化に取り組む。製造部に新設された「革新製造技術チーム(革新チーム)」が中心となり、これまでに4つの協働ロボットシステムを構築した。前編で解説した第1弾と第2弾に続き、後編では第3弾と第4弾を紹介する。「台車に載せて移動式にしたり、人が近くにいても作業を継続するなど、常に新たなことに挑戦している」と革新チームリーダーの白石京専門工長は言う。
生産現場のロボット化と自動化を支援するウェブマガジン
NEW ARTICLE
日産自動車の横浜工場は、2014年から協働ロボットを使った自動化に取り組む。製造部に新設された「革新製造技術チーム(革新チーム)」が中心となり、これまでに4つの協働ロボットシステムを構築した。前編で解説した第1弾と第2弾に続き、後編では第3弾と第4弾を紹介する。「台車に載せて移動式にしたり、人が近くにいても作業を継続するなど、常に新たなことに挑戦している」と革新チームリーダーの白石京専門工長は言う。
明電舎は11月20日、協働ロボットを搭載した無人搬送車(AGV)「RocoMo-V(ロコモブイ)」を発売した。搭載したのはファナックの協働ロボット「CR-14iA/L」で可搬質量は14kg。AGVに搭載することで、物をつかんだまま移動するなど、より人に近い作業が可能になる。
レーザースキャナーなどで周囲の環境や自分の位置を認識し、自律的に目的地まで移動可能。ロボットはAGVの内蔵バッテリーで動き、AGVは自動で充電できるため、24時間稼働できる。
日産自動車の横浜工場は、2014年から協働ロボットを使った自動化に取り組む。製造部に新設された「革新製造技術チーム(革新チーム)」が中心となり、これまでに4つの協働ロボットシステムを構築した。エンジンの組み立て工程の一部を協働ロボットが担う。「狭い空間で人と一緒に働ける協働ロボットは、既存の生産ラインを変えずに製造工程の改善ができる」と革新チームリーダーの白石京専門工長は言う。
シュンク・ジャパン(東京都品川区、谷本昌信社長)は、デンマーク・ユニバーサルロボット製の協働ロボットに対応する電動ロボットハンド(グリッパー)「EGHグリッパー」を今年の12月に発売する。EGHグリッパーは、グリッパー先端の動く部分(爪)の角度が変わらない平行開閉タイプ。開閉ストロークは最大80㎜で、把握力は100N、最大3kgまでの対象物を搬送できる。平行開閉タイプは安定して対象物をつかめるが、エア駆動やストロークの短い製品が多く、電動でストロークの長い製品は少ないという。オープン価格だが、価格が安いことも特徴の一つ。スターターキットには爪やソフトウエア、工具などが付帯しており、購入してすぐ使える。
今回の「注目製品PickUp!」では、ヤマハ発動機が2019年9月に発売したスカラロボット「YK400XE」を取り上げる。スマートフォンやパソコンなどの電化製品に使われる小物部品の組み立てや整列、検査を主な用途に見込む。ロボティクス事業部FA統括部の福川義章営業部長は、導入しやすい価格と高い性能を両立させたYK400XEを「自動化の普及を目指す『旗艦製品』」と位置付ける。
ユニバーサルロボットの日本支社(東京都港区、山根剛ゼネラルマネジャー)は11月26日、協働ロボット「OEM DC/ACモデル」(=写真)を国内発売した。ロボット本体を産業機械に組み込むことを前提に、付属するコントローラーなどの仕様を従来機とは変えた。また、動作の教示に使うティーチングペンダントを省略。周辺機器を含めて軽量化し、設置スペースも減らした。同社の主力製品「eシリーズ」と同様に可搬質量別で「UR3e」「UR5e」「UR10e」「UR16e」の4機種を用意する。
オムロンは11月15日、250kgまでの重量物を運べる無人搬送車「モバイルロボットLD-250」を世界同時発売した。これまでのラインアップは60kg可搬の「LD-60」、90kg可搬の「LD-90」、台車と一体化した130kg可搬の「カートトランスポータタイプ」の3種類で、新たに発売したLD-250はLDシリーズで最大の可搬質量を誇る。レーザースキャナーで周囲の環境や自分の位置を認識し、自律的に目的地まで移動する。
ロボットダイジェスト編集部が注目したロボット関連の製品を取り上げる連載企画「注目製品PickUp!」もとうとう20回目を迎えた。今回は、ヤマハ発動機が2019年9月に発売したスカラロボット「YK400XE」を紹介する。従来機種から最大可搬質量を1.4倍にし、標準サイクルタイムも約10%短縮したが、価格は79万8000円と同額に据え置いた。低価格を維持しながらも、性能強化を実現できた工夫とは?
デンマークに本社を置く協働ロボットメーカーのユニバーサルロボット(UR、ユルゲン・フォン・ホーレン社長)は11月7日、同じくデンマークに本社を置く自律走行搬送ロボットメーカーのモバイル・インダストリアル・ロボッツ(MiR、トーマス・ビスティー最高経営責任者<CEO>)と共同で、スペインのバルセロナにロボットセンターを設立した。開所式も催され、150人以上が参加した(=写真)。
妙徳(東京都大田区、伊勢幸治社長)は、多種多様な対象物を吸着できる真空式のロボットハンド「バルーンハンドSGBシリーズ」を開発した。約40年間、真空機器に特化してきたノウハウを生かしたという。同社は創業当初、光学機器関連の部品を加工する町工場だった。「下請け仕事ばかりでは将来がない」と一念発起した創業者がさまざまな製品を開発。そのうちの一つが真空発生器「CONVUM(コンバム)」だった。