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2019.12.09

研磨ロボの導入を研磨材メーカーが支援/スリーエムジャパン

研磨材メーカーのスリーエムジャパン(東京都品川区、スティーブン・バンダー・ロウ社長)は11月、相模原市の相模原事業所内に「3Mロボット研磨ラボ」を開設した。ロボット研磨システムの導入を検討する企業の相談窓口になるとともに、システムインテグレーター(SIer、エスアイアー)のシステム構築も支援する。「まだまだ研磨の自動化は進んでいないが、研磨工程へのロボットの普及を後押しできれば」と研磨材事業部の日西勝事業部長は語る。

研磨材で100年以上の歴史

 付箋紙の「ポストイット」などで知られるスリーエムは、100年以上の歴史を持つ工業用研磨材メーカーでもある。専用装置や手持ちの機械に取り付けて使う、帯状の研磨ベルトや、円盤状の研磨ディスクを販売する。

 スリーエムがロボット研磨ラボをつくったのは、ロボットを使った研磨システムの普及を図るため。研磨作業はまだまだ自動化が進んでおらず、人手不足が大きな問題となっている。研磨や研削、切削向けのロボットの国内出荷台数は年に2割程度伸びているものの、2017年時点で323台とまだまだ少ない。普及を妨げる要因を解消することで、研磨作業の自動化を推進する。

研磨システムを手掛けるSIerは少ない

 ラボ内には産業用ロボットを2台設置。ロボットを使った自動研磨のテストなどができる。
 研磨工程にロボットが普及しない原因の一つが、システム構築に高度な技術が必要で、手掛けた経験のあるシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)が少ないこと。
 研磨を自動化するには研磨加工のノウハウが必要になる。また研磨材は砥(と)粒の離脱などで作業中に研磨性能が変化し、砥石の場合は寸法も変化する。繊細な研磨をするには押し付ける圧力の制御も必要だ。そのため自動化が難しく、ロボットSIerであっても研磨システムを構築したことのない企業は多い。
 これは導入を考える企業側からみれば、「どこに頼めばいいのか分からない」ことも意味する。

 これらの課題を、3Mロボット研磨ラボで解決する。

  • テスト加工などができるロボット研磨ラボ

  • ロボットによる研磨加工の様子

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