研磨ロボの導入を研磨材メーカーが支援/スリーエムジャパン
研磨材で100年以上の歴史
付箋紙の「ポストイット」などで知られるスリーエムは、100年以上の歴史を持つ工業用研磨材メーカーでもある。専用装置や手持ちの機械に取り付けて使う、帯状の研磨ベルトや、円盤状の研磨ディスクを販売する。
スリーエムがロボット研磨ラボをつくったのは、ロボットを使った研磨システムの普及を図るため。研磨作業はまだまだ自動化が進んでおらず、人手不足が大きな問題となっている。研磨や研削、切削向けのロボットの国内出荷台数は年に2割程度伸びているものの、2017年時点で323台とまだまだ少ない。普及を妨げる要因を解消することで、研磨作業の自動化を推進する。
研磨システムを手掛けるSIerは少ない
ラボ内には産業用ロボットを2台設置。ロボットを使った自動研磨のテストなどができる。
研磨工程にロボットが普及しない原因の一つが、システム構築に高度な技術が必要で、手掛けた経験のあるシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)が少ないこと。
研磨を自動化するには研磨加工のノウハウが必要になる。また研磨材は砥(と)粒の離脱などで作業中に研磨性能が変化し、砥石の場合は寸法も変化する。繊細な研磨をするには押し付ける圧力の制御も必要だ。そのため自動化が難しく、ロボットSIerであっても研磨システムを構築したことのない企業は多い。
これは導入を考える企業側からみれば、「どこに頼めばいいのか分からない」ことも意味する。
これらの課題を、3Mロボット研磨ラボで解決する。