試行錯誤の30年、車のノウハウを食品でも/エス・イー・ティー
自動車関連が9割以上
創業からの30年間で、6500件以上の自動化システムを手掛けたSETの強みは、生産ラインの一部だけでなく、素材投入から完成品検査まで全体のシステムを構築できることだ。
自動車産業から引き合いが多く、受注の9割以上を占める。例えば、自動車の足回り部品の組み立てについてはこれまで50ライン以上も手掛けた。溶接やかしめ、カバー取り付けなど一連の作業を、2台のロボットを使用してラインを構築した。
現在は、自動車以外の業種へのアプローチにも力を入れる。特に次世代通信規格(5G)で盛り上がりを見せる電気電子業界だ。
また、「自動車でも足回りやエンジン関連だけでなく、電気・電子部品や内装など幅広く仕事を受けたい」と高橋社長は意気込む。
スタートは装置製作から
産業用ロボットや、工作機械用の自動化機器のガントリーローダーによるシステム構築だけでなく、必要な周辺機器や専用機を設計、製作する機能も持つ。それはSETが部品加工、装置製作からスタートしたからだ。
創業当初は加工補助具(ジグ)などの小物加工を引き受けたが、次第にガントリーローダーやコンベヤー、検査機などの省力化機械の設計、製作をするように。その後、ロボットシステムにも取り組み始めたことで、工程全体の自動化に対応できるようになった。
今ではほとんどが産業用ロボットを組み込んだ自動化システムで、多いときでは60台ほどが工場に並んだことも。2016年には4拠点目のTS工場を設立し、組み付けエリアをこれまでの3倍に拡大した。今年の6月には本社機能をTS工場に移し、本社のある第1、2工場は部品加工や装置製作のマザー工場にした。将来的には部品加工も受注できるようにする。