[注目製品PickUp! vol.37]使いやすくて日本製! 多品種向けフィーダー【後編】/鈴野製作所「SVFシリーズ」
FA機器メーカーとして再出発
短時間で切り替えられ、省スペース
自社工場で課題だったのが、多品種少量生産の自動化だった。
以前同社では、自動化する際にボウルフィーダーを使っていた。投入された部品を、整列させて供給する機器だ。ボウルフィーダー内部にはらせん状の長いレールがあり、そのレールを使って部品を整列させる。供給部品を切り替える際は、レール内の部品を全て取り除いたり、レール幅の調整などが必要だった。切り替えに時間がかかり、多品種少量生産には使いにくかった。
そのため、生産数の少ない製品は自動化せずに、人手で作業していたが、狭い工場内で自動化ラインと人手で作業するスペースの両方を設けると、今度は所要スペースが問題になる。「少量生産の仕事もあり、工場に余分なスペースはない。こうした町工場は全国にたくさんあるのではないか」と鈴野真樹氏は話す。
このニーズを満たせる製品を検討し、行き着いたのがテーブルを振動させるタイプのフィーダーだった。レールがないため余った部品の回収が容易で、レール幅の調整なども必要ない。
事業化に向け競合企業などを調査すると、高機能だが高価で複雑な製品や、安価だが機能が限られる製品はあったが、まだまだ差別化の余地があり、未開拓でこれから広がる市場だと感じて参入を決めた。