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2021.12.21

連載

[活躍するロボジョvol.10]相手を思いやる/CKD 浅井香澄さん

ロボット業界で活躍する女性にスポットを当てた連載「活躍するロボジョ」も10回目を迎えた。今回は、CKDで電動アクチュエーターを設計する浅井香澄さんを紹介する。ロボットアームの先端に搭載する電動アクチュエーター・グリッパー・タイプ(電動グリッパー)「FFLDシリーズ」などの設計補助を担当した。現在は設計の主担当を任され、製品化に向けて奮闘している。製品を完成させるには、社内のさまざまな関係者との連携が欠かせず、「相手の立場に立ち、専門用語をかみ砕いて説明するなど、思いやりを大切にしたい」と話す。

担当製品に愛着

 入社8年目の浅井香澄さんは、電動アクチュエーターの設計業務を担当する。

 昨年4月に発売した、ロボットアーム先端に搭載する電動グリッパー「FFLDシリーズ」では設計補助として1年ほど、製品企画から設計、試作品の評価、量産準備まで幅広い業務に携わった。

 FFLDシリーズは2本のフィンガーを持つ電動グリッパーで、ロングストロークが最大の特徴だ。従来品に比べ、最大ストロークが約10倍向上した。「長い物も含め、1つの電動グリッパーだけでさまざまな物をつかみたいという顧客のニーズを取り込んだ製品です。ここまでロングストロークの電動グリッパーは国内メーカーでは他になく、海外製品と比べるとサービス対応や価格の面で優位性があります」と自信を見せる。

浅井さんが設計に携わった電動グリッパー「FFLDシリーズ(左)」と 「FLSHシリーズ」

 ロボットによる搬送作業の効率を上げるには、グリッパーの小型化・薄型化が必要だ。「工学的に言えば、ロボット先端の慣性モーメントを小さくすることが求められます」と言う。そこで同シリーズでは部品の小形化を追求し、薄型設計を目指した。コントローラーも内蔵しており、1本のケーブルだけで電動グリッパーの動きを制御できる。
 
 だが、これらを実現するためには、限られたスペースにギアやコントローラーの基板、各種部品などを収納する必要があった。「必要とされるモーターの出力やつかむ力から逆算して部品の寸法や歯車の歯数などを決め、電動グリッパー内に組み込みました」と振り返る。

 「お客さまの用途はさまざまなので、現場で正常に動くか不安でしたが、実際にFFLDシリーズが使われている様子を動画で見たときはうれしかったです。自分が携わった製品には、まるで自分の子供のように愛着が湧きます」と微笑む。

 設計業務では、機械だけではなく電気やソフトウエアの設計担当との連携が欠かせない。「相手の立場に立ち、専門性の高い用語をかみ砕いて説明するなど、思いやりを大切にしています」と話す。

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