人の力加減を再現する遠隔デモシステムを販売開始/モーションリブ
慶応義塾大学発のベンチャー企業モーションリブ(川崎市幸区、溝口貴弘最高経営責任者)は12月16日、同社製のICチップ「AbcCore(コア)」を使った遠隔操作システム「UR-URバイラテラル装置」などの各種デモシステムの販売を開始した。
UR-URバイラテラル装置は、UR製のロボット「UR3e」2台とAbcコアを用いた装置。Abcコアで制御することで、人がつかんで動かしたロボット(マスター機)と同様の動きをもう一台のロボット(スレーブ機)にさせられる。触覚や力加減を双方向に伝送するため、スレーブ機が触れた物の感触までマスター機を通して感じられ、繊細な力加減で遠隔操作ができる。
他にも仮想空間にある物の感触を疑似的に再現する「リアルタイムスキャナ」などのシステムをラインアップする。
今回発売した製品には慶応義塾大学が開発した「リアルハプティクス」という力触覚の伝送技術が使われている。リアルハプティクスは、アクチュエーター(エネルギーを運動に変える機器)の力加減を自在に制御し、力センサーなしで力触覚を伴う遠隔操作や感触を再現する技術だ。Abcコアは、リアルハプティクス技術の実装を容易にする役割を担う。