販売拡大へ向けトレーニング施設や協業体制拡充/プレミアエンジニアリング
需要の高まり感じタイから日本へ
プレミアエンジニアリングは2019年12月に創業した企業で、20年からテックマンの代理店を務める。テックマンの協働ロボットはティーチング(教示)が簡単でビジョンセンサーを標準搭載するため、システムの立ち上げが容易なことが特徴だ。国内にテックマンの一次代理店は4社あり、その中では最も後発だが、「実はテックマンとの付き合いはどこよりも長く、その特徴を生かした使い方、システムの組み方などのノウハウには自信がある」と松本社長は話す。
例えば3月に開かれた「2022国際ロボット展(iREX2022)」では、テックマンの機能やオプションを最大限活用し、唐揚げのピッキングのデモンストレーションを披露した。
唐揚げは認識や把持が難しい対象物の一つと言われるが「オプションの人工知能(AI)機能や3次元ビジョンセンサーなどを活用し、3爪ソフトグリッパーなどと組み合わせて自動化した。テックマンは導入しやすい価格帯が特徴の一つだが、『使いこなせればここまでできるのか』と驚かれる」と松本社長は言う。
松本社長は創業前、モーターなどの電機部品・FA(ファクトリーオートメーション=工場自動化)機器を扱う商社プレミアオートメーションセンターで営業を担当していた。日本ではなくタイにある現地企業だ。日本にテックマンの代理店がまだなかった18年2月からタイではプレミアオートメーションが正規代理店として活動しており、松本社長が担当者だった。
テックマンのロボットは操作や設定のしやすさに強みがあるため、これなら技術者ではない松本社長でも使いこなせると操作方法を習得。タイの各地を巡り、工場でデモを見せて回った。
「テックマンが日本市場に参入した当初は、『テックマン製品に精通した日本人』が他にいなかった。そのため、テックマンが日本の展示会に出展する際は、要請を受けてタイから日本まで応援に行っていた」(松本社長)。展示会の度に来日し、日本の展示会で日本の顧客と話しをする中で、労働力が確保しやすいタイよりも、少子高齢化で人手不足が深刻な日本の方が協働ロボットの潜在需要は大きいと感じ、日本での創業を決めた。