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2025.01.10

ジョイスティックで簡単・滑らかなロボット操作を提案/リンケージ

ロボットハンドなどを輸入販売するリンケージ(東京都港区、大楽恒一郎社長)は、デンマークNORDBO ROBOTICS(ノーボロボティクス)のロボット操作システム「MIMIC(ミミック)」の販売に力を入れ始めた。モーションキャプチャー技術をベースにロボットを簡単に操作できるシステムで、「このほどファナックや安川電機のロボットにも対応した。これを機に販売拡大に拍車をかけたい」とリンケージの大楽社長は言う。

モーションキャプチャー技術で動きを再現

 リンケージは2022年10月に創業した企業だ。元々大楽社長はイタリアのロボットハンドメーカーGimatic(ジマテック)の日本法人社長をしていたが、本部が現地法人を整理するタイミングでその事業を引き継ぐために設立した。ロボットハンドや力覚センサー、ツールチェンジャーなど、産業用ロボットの先端に取り付ける製品を専門に扱い、ジマテックの他、欧州メーカーや中国メーカー数社の製品を扱う。

「ミミック」を構成するジョイスティックとライトハウス

 同社が販売に力を入れ始めたのが、デンマークのオーデンセに本社を置くノーボロボティクスが開発した「ミミック」だ。「プログラミングせずにロボットを動かす『ノーコードロボティクス』のソリューションとして、『ミミック』への注目度が高まっている」と大楽社長は言う。

 ミミックは、モーションキャプチャー技術をベースにロボットを操作するシステムだ。手持ちの「ジョイスティック」、ジョイスティックの位置を把握するための「ライトハウス」、情報処理用のパソコンの3つの要素で構成される。

手に持ったジョイスティックとロボットアーム先端が連動する

 ジョイスティックとロボットアーム先端が連動し、スティックを手に持って動かすだけでロボットを操作できる。ロボットに動作を覚えさせるために使うことも、リアルタイムの遠隔操作に使うこともできる。
 ロボットに覚えさせた動作を再生する場合、速度は自由に変更できる。エンドエフェクターの角度もスティックに合わせて変化するが、用途に合わせ、先端の角度を固定することも可能だ。

 「塗装や研磨の際、人は滑らかな動きで作業するが、ミミックならロボットでその動作を再現できる。ティーチング(教示)の手間を減らせ、アームを手で持って動かすダイレクトティーチングでも教示しにくい動きを簡単に覚えさせられる」と大楽社長は言う。
 塗装や各種研磨、バリ取りなどに活用できる。システムインテグレーター(SIer、エスアイアー)やロボット導入企業からの問い合わせが増えており、ロボットメーカーからの問い合わせもあるという。

都内ラボに実機を設置

葛飾のラボで「このラボにぜひ一度来てほしい」と話す大楽恒一郎社長

 ミミックには、その機能をロボットシステムに組み込むための「ミミックキット」の他、研磨などのアプリケーション(用途)ごとにパッケージ化したロボットシステムもある。動きをより高精度に再現するオプションや、動きではなく力加減を再現するバージョンなどもラインアップする。

 対応メーカーはこれまでデンマークのユニバーサルロボットと不二越、KUKAのみだったが、今年はじめにはファナック、10月からは安川電機のロボットにも対応した。その他のメーカーのロボットでも使用した実績はあり、今後順次正式に対応していく見通しだ。
 「アイデア次第でさまざまな使い方ができる技術。東京都葛飾区に実機を設置したラボを開設したので、ぜひ一度見て、操作を体験してもらえれば」と大楽社長は話す。

(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)

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