ジョイスティックで簡単・滑らかなロボット操作を提案/リンケージ
モーションキャプチャー技術で動きを再現
リンケージは2022年10月に創業した企業だ。元々大楽社長はイタリアのロボットハンドメーカーGimatic(ジマテック)の日本法人社長をしていたが、本部が現地法人を整理するタイミングでその事業を引き継ぐために設立した。ロボットハンドや力覚センサー、ツールチェンジャーなど、産業用ロボットの先端に取り付ける製品を専門に扱い、ジマテックの他、欧州メーカーや中国メーカー数社の製品を扱う。
ジョイスティックとロボットアーム先端が連動し、スティックを手に持って動かすだけでロボットを操作できる。ロボットに動作を覚えさせるために使うことも、リアルタイムの遠隔操作に使うこともできる。
ロボットに覚えさせた動作を再生する場合、速度は自由に変更できる。エンドエフェクターの角度もスティックに合わせて変化するが、用途に合わせ、先端の角度を固定することも可能だ。
「塗装や研磨の際、人は滑らかな動きで作業するが、ミミックならロボットでその動作を再現できる。ティーチング(教示)の手間を減らせ、アームを手で持って動かすダイレクトティーチングでも教示しにくい動きを簡単に覚えさせられる」と大楽社長は言う。
塗装や各種研磨、バリ取りなどに活用できる。システムインテグレーター(SIer、エスアイアー)やロボット導入企業からの問い合わせが増えており、ロボットメーカーからの問い合わせもあるという。
都内ラボに実機を設置
ミミックには、その機能をロボットシステムに組み込むための「ミミックキット」の他、研磨などのアプリケーション(用途)ごとにパッケージ化したロボットシステムもある。動きをより高精度に再現するオプションや、動きではなく力加減を再現するバージョンなどもラインアップする。
対応メーカーはこれまでデンマークのユニバーサルロボットと不二越、KUKAのみだったが、今年はじめにはファナック、10月からは安川電機のロボットにも対応した。その他のメーカーのロボットでも使用した実績はあり、今後順次正式に対応していく見通しだ。
「アイデア次第でさまざまな使い方ができる技術。東京都葛飾区に実機を設置したラボを開設したので、ぜひ一度見て、操作を体験してもらえれば」と大楽社長は話す。
(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)