製造現場や物流現場では、労働力不足や重量物を取り扱う際に作業者に大きな負担がかかるなど、多くの課題がある。マテハンメーカーは、これらの課題の解決につながる自動倉庫システムや自動搬送システム、無人搬送車（AGV）などを提案する。搬送指示を出しやすい自動倉庫や位置精度に優れる搬送システム、搬送路設定の簡易なソフトウエアなど各製品の強みはバラエティーに富む。このコーナーでは全３回に分けて、マテハンメーカー15社の最新製品や一押し機種を取り上げる。最終回となる今回は、AGVや自律走行型搬送ロボット（AMR）、関連ソフトウエアなどを紹介する。

AMR
「MiRシリーズ」


　積載質量は100kg～1350kgまで幅広く対応し、既存の生産レイアウトを変更することなく簡単に導入できるAMR。安全に人と連携し、関連する安全規格に準拠したモバイルロボットを提供する。オープンプラットフォームのため、ラックやリフト、協働ロボットなどさまざまなモジュールでカスタマイズできる。ロボット間でデータ共有ができるため、ロボットの新規追加もしやすい。

AMR
「AiTran Lift（アイトランリフト）」


　ガイドレス走行で工場内搬送とリフターによる積み荷の上げ降ろしを自動化するAMR。オムニホイールを搭載し、全方向に移動できるため、台車の向きを選ばず荷受けや荷渡しが可能。ワイヤレス給電システム「D-Broad（ブロード）」を使うことで、充電を自動化する。オプションを追加すれば、台車けん引タイプの「アイトラン リフトTrailer（トレイラー）」やAGF「アイトランFork（フォーク）」に変更できる。

AMR
「PEER（ピア）シリーズ」


　出荷品の集荷作業を支援するAMR。ロボットが出荷する商品が保管されている棚の前まで行き、一時停止する。ロボットに搭載したタブレット端末には、出荷商品が表示される。作業者がその商品を棚から取ってロボットに載せると、出荷作業エリアまで商品を運ぶ。大規模な設置工事が不要で、業務を停止することなく短期間で機器を導入できる。