[注目製品PickUp! vol.58]世界初の空気圧式協働ロボット/フエスト「Festo Cobot」(1/3)
空気圧ゆえ安全、安価、軽量
フエストは昨年、ドイツで開かれた展示会で空気圧式協働ロボット「フエストコボット」を発表した。同社によれば、空気圧式の協働ロボットは世界初という。
自由度は6軸で、最大リーチは670mm。総重量は17kgと、一般的な協働ロボットの半分程度の軽量で、移動や設置が簡単。エア駆動のため静かなことも特徴だ。可搬質量はエンドエフェクターを含めて3kg。再現性は±0.3mmの精度で、軸当たりの回転角度は±135度だ。
エンジニア出身でフエストコボットの開発にも関わり、2021年に就任した日本法人のボクダノヴィッツ社長は「ロボットに詳しくない人でも直感的に操作できることも大きな開発コンセプト」と胸を張る。プログラミングはアイコンベースのソフトウエア「Robotic Suite(ロボティックスイート)」が使える。
近い将来、ティーチングペンダントをタブレットに置き換え、より直感的にプログラミングできるようになるという。
モーター駆動の一般的な協働ロボットと比べて、モーターがないぶん価格競争力が高いのも強みだ。24年前半には正式発売し、順次、日本市場でも展開予定だ。現状では、日本の顧客にフエストコボットを紹介すると、ほぼ全ての人が強い関心を示しており、半導体や電気・精密、自動車、工作機械、食品、物流など、さまざまな分野で需要が見込めるという。エアの特徴である柔軟性を生かした、さまざまな使い方が想定される。