プライベートショー刷新しマーケティング重視に/伊東電機
自動化にはコンベヤーの見直しも
アーム型の産業用ロボットの作業効率をより高めるためには、コンベヤーなど周りのマテハン機器も効率を上げていく必要がある――。伊東社長は今年10月に大阪で開催したPSでそう話した。
「ハードウエアとソフトウエアの融合がわが社の強み。工場でも物流倉庫でも人手不足は深刻さを増しており、わが社は問題解決のアシストができる」と力を込める。
コンベヤーのローラー1本1本がモーターやセンサーを内蔵するパワーモーラは、物が載っている部分だけが動作するため消費エネルギーを最小限にでき、直角に進行方向を変えるモジュールや、重量のあるパレット単位で運べるタイプもある。「見た目には普通のコンベヤーなので、PSで実際に見てもらって初めて理解し、驚いて帰るお客さまは今までも多かった。これまでも展示会やPSでPRしてきたが、今までのやり方では十分伝わっていなかったということだ」と言う。
多角的にPR強化
「大規模展示会とPSでは役割が違う。場所が限られるので、PSではじっくり製品を知ってもらいたい」と伊東社長。「これまではまず展示を見てもらうことに注力してきたが、これからはマーケティング要素をより重視し、ニーズをしっかり聞いたり、製品を深く知ってもらう機会にもしたい」と意気込む。
11月29日から12月2日に開催された「2023国際ロボット展(iREX2023)」では、パワーモーラをベースに組み上げたコンベヤーシステム「id-PAC(パック)」をはじめ、金属製の従来のパワーモーラよりも搬送物に優しい樹脂製の「エフエヌローラ」などを新製品として出品。多数のリード(見込み顧客)を獲得した。
24年2月29日、3月1日の2日間には愛知県刈谷市の刈谷市産業振興センターでPSを開催することが決定している他、24年中には本社に併設された展示施設「イノベーションセンター」のリニューアルも計画しており、多角的にPR強化を図る考えだ。
(ロボットダイジェスト編集部 松川裕希)