[2023国際ロボット展リポートvol.24]要素部品でも新製品、新提案が多数/ナブテスコ、ハーモニックドライブ、ハイデンハイン、オリエンタルモーター、住友重機械工業(1/3)
高速に取り回し、減速機の性能示す/ナブテスコ
産業用ロボットに欠かせない要素部品の一つが減速機だ。関節部分に組み込まれ、動作のトルクや精度の向上に寄与する。
ナブテスコは産業用ロボット向けに長年の実績を持つ精密減速機「RVシリーズ」をアピールした。特に最新の「Z(ゼータ)シリーズ」は、コンパクトで軽量ながら、高剛性を担保する。
また、それらを組み込んだポジショナー「RVP-C」に重量物を載せて、高速に稼働させる実演展示をした。RVP-Cはサーボモーターが組み込まれ、潤滑な駆動に必要なグリスも封入済みのため、立ち上げ作業の手間を省ける。4000kgまで積載でき、重量物の取り回しに向く。
担当者は「重量物を乗せて、高速に動かす実演を通じて、わが社の減速機の剛性や位置決めの精密さをアピールしたい」と展示の狙いを話す。
小型の減速機ユニットに20年ぶりの新型番/ハーモニック・ドライブ・システムズ
ハーモニック・ドライブ・システムズは新製品の「ハーモニックドライブ小型ユニット CSF-7-2XH」を展示した。「CSF-mini (ミニ)シリーズ」の1つで、同シリーズは減速機「ハーモニックドライブ」の小型モデルにベアリングなどを合わせてユニット化した製品。 独自開発の「小型4点接触ボールベアリング」を搭載する。
新製品は「型番7」。既存の「型番5」と「型番8」の間を補う。型番の追加は約20年ぶりという。従来の型番5よりトルクが大きく、型番8よりもサイズが小さい。型番7を追加したことで、用途に合わせたより最適な仕様を選びやすくなった。
担当者は「最近はロボットが担う作業の高度化で、ロボットハンドにも精密な動作を求められ、減速機が使われるケースも増えた。また、小型の卓上ロボットや半導体製造装置への組み込みなどで、需要は大きい。仕様の異なる小型の減速機ユニットを拡充して、顧客の細かな要望に応えたい」と開発の狙いを話す。