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2024.04.11

5年ぶりの自社展で自動化を提案、95社が出展/五誠機械産業

五誠機械産業(佐賀市、川島晃会長)は5年ぶりの展示会「スマイルフェア45」を3月8日、9日の2日間、本社と本社に隣接する九州ロボットセンターで開催した。今回から新たに九州ロボットセンターの2階も展示フロアとして使うことで、展示規模を広げた。産業用ロボットメーカーや工作機械メーカーなど95社が出展した。さまざまメーカーの自動化提案が見られるとあって、九州地方の顧客を中心に2日間で約700人が来場した。

人材育成の場が舞台

会場となった九州ロボットセンター

 今回産業用ロボットが展示された九州ロボットセンターは、普段は産業用ロボットの教育施設として使われている。
 川島会長は「量産が多い現場は段取り替えが少ないが、多品種少量生産が中心の現場では段取り替えが多く、その自動化の重要度が高い。現場には自動化システムの構築やプログラミングなどロボットを総合的に扱える人材が必要だ。自社の人間も含め育成に力を入れていきたい」と語る。

協働ロボットをキャラバンカーで展示

ダイヘンはキャラバンカーで溶接システム搭載の協働ロボットを展示

 スマイルフェアにはさまざまなメーカーが出展し、ダイヘンは同社初の協働ロボット「FD-VC4」にシンクロフィード溶接システムを搭載して展示した。シンクロフィード溶接システムとは、ワイヤの正送と逆送を高速で繰り返してスパッタの発生を抑制する溶接技術。スパッタとは熱せられた金属の粒のことで、付着したまま塗装するとさびの原因になる。これまでに培った溶接技術を生かし、質の高い溶接精度を出せる軌跡精度を実現した。
 「まだまだダイヘンの協働ロボットは認知度が低いため、展示会でアピールすることで認知度を上げていきたい。九州では半導体製造装置の溶接自動化の市場を狙う」と担当者は話す。

6種の自動化システムをPR

三菱電機は2台のキャラバンカーで多様な自動化システムを提案した

 三菱電機はキャラバンカーを2台設置し、6種の自動化システムをPRした。部品を別の部品の穴にねじ込む動作や、バリ取りなど導入のイメージがしやすい自動化に来場者は関心を持った。
 総合FA(ファクトリーオートメーション=工場自動化)メーカーとして一貫した提案ができるのが強みで、力覚センサーやビジョンセンサーをロボットに搭載し、プログラマブル・ロジック・コントローラー(PLC)や各種表示機まで三菱電機で用意できる。これらを組み合わせて自動化システムの構築も可能だ。
 担当者は「五誠機械産業と手を組むことで、今までアプローチできなかった顧客に出会うことができる」と語る。

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