[国際物流総合展2024 vol.2]複数の工程を一体展示で提案/オークラ輸送機、オカムラ、西部電機、プラスオートメーション、Phoxter、野村不動産
搬入から荷解き、仕分けまで
開梱作業には、日用品や医薬品などの卸売業大手、PALTACと技術提携して開発した新システム「RandomEasyOpener(ランダム・イージー・オープナー)」を使った。
ランダム・イージー・オープナーは、段ボール箱の上部をカッターナイフの刃で切り取るエンドエフェクターを付けたロボットシステム。
レーザーセンサーなどで箱の大きさを認識して、幅広いサイズに対応する。段ボール箱上部の四辺を切り取るため、取り代が少なく、中の荷物を傷付けるリスクが低い。また、所定の個数を作業したら刃を自動交換するため、システムの停止時間を低減できオペレーターの手間も省ける。
小野山達夫常務は「顧客の管理の手間を減らすために、刃を市販品にするのにこだわって開発した。処理能力も高く、使う現場目線に立ったシステム」と自信を見せる。
パレットの入出庫まで自動化
オカムラはパレットの保管装置や搬送装置を一体で提案した。パレットを高密度に保管できるパレット・ストレージ・システム「CYBISTOR(サイビスター)」では、新たに「自動倉庫タイプ」を加え、初披露した。
サイビスターは、ラック内を走行する「シャトル」がパレットを搬送し格納する。従来のタイプはパレットの入出庫やシャトルを別のラックに移動させる際に、フォークリフトを使う必要があった。
自動倉庫タイプは、シャトルを昇降させるスタッカークレーンを採用し、入出庫も自動化できるようにした。
ブースでは同社の自律移動ロボット(AMR)「ORV」のパレット搬送タイプも参考出展し、サイビスターとの連携デモを披露した。
物流システム事業本部マーケティング部の町田憲治部長は「人手不足でフォークリフトの有資格者も集まりづらくなる中、自動倉庫タイプでさらなる自動化に貢献したい」と話す。
他にも、多段式独立水平回転棚「ロータリーラック」や、ロボット自動倉庫システム「AutoStore(オートストア)」も展示した。
「時間の余裕」を生かす提案
コンビニの物流拠点ではこれまで、店舗から補充用商品の発注を受けると即日発送するのが基本だった。しかし、慢性的な人手不足などにより、日用品や飲料を中心に、その期限が緩和されているという。
そのような状況に対し、西部電機はコンビニの物流拠点向けのシステムを展示した。協働ロボットを使った飲料のピースピッキングシステムと、それを各店舗に配送するための樹脂製コンテナのふたを閉める装置をコンベヤーでつなぎ、連動させた。協働ロボットはファナックと安川電機の2種類を使用し、対応力の高さなどをアピールした。
「急ぎの対応が多い昼間は作業者が仕分けラインに入り、協働ロボットは夜間に作業させるといった運用もできる」(担当者)。