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2024.10.07

連載

[連載コラム:いまさら聞けないキーワード]vol.09 ソフトロボティクス

最近よく聞く言葉だけど、「それどんな意味?」と聞かれたら自信を持っては答えにくい――。そんな言葉はありませんか? 新連載コラム「いまさら聞けないキーワード」では、そんなロボット業界のキーワード・新ワードを紹介します。今回は、食品や包装品など軟らかいものを取り扱うソフトロボティクスです。

 近年、ロボットが導入される現場の広がりとともに、ロボットで取り扱うものも多様化しています。金属やプラスチックの硬い工業製品だけでなく、食べ物や袋状の包装品といった軟らかいものや人が口にするものを扱うことも当たり前になってきました。そうした軟らかいものを取り扱うための技術が、ソフトロボティクスです。

 ソフトロボティクスの要はグリッパーです。軟らかいことは形が定まらないことも意味しますから、グリッパーには、ものの形に合わせて柔らかく、かつ確実につかむ機能が求められます。実用化されているソフトロボティクス対応のグリッパー(ソフトロボットハンド)は、シリコンやゴムといった柔軟性のある素材が使われることが多いです。

多様な構造のソフトロボットハンドが開発されている

 また、製品化されているソフトロボットハンドは2本以上の指ですくい取るように持ち上げる機構や、ものの形に合わせて密着し負圧やエアで吸着する機構もあります。大学などの研究機関ではさまざまなアイデアが試されており、企業と連携して実用化が近い例もあります。

 その他、狭いすき間などに入り込んで検査や調査をするロボットの中には、動物の身体構造をまねた柔軟な構造を持つものもあります。これらはソフトロボットとも呼ばれ、ソフトロボティクスの一つと考えられます。

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