航空宇宙産業に向け測定や検査の効率化を提案
測定や検査の負担を減らす
航空宇宙産業ではワークの厳しい品質管理が要求されるが、測定や検査は作業負担が大きく、また人手不足も課題となる。2024国際航空宇宙展ではロボットを活用した自動化技術の提案も盛んに見られ、特に測定や検査を効率化できる技術に来場者の注目が集まった。
測定機や加工機などを取り扱う輸入商社のイネイブル(さいたま市大宮区、小川秀樹社長)の顧客には、重工業関連の企業も多い。ブースでは米国の測定機メーカー4D Technology(テクノロジー)の非接触測定機「4D InSpec(インスペック)」を、協働ロボットに搭載して展示した。
ハンディータイプながら4μmと高い分解能を誇る測定機で、独自技術により振動の影響を抑えられるためロボットに搭載しても高精度で測定できる。
小川雄也営業マネージャーは「切削加工後のワークを、加工機に取り付けたまま測定するなどもでき、非常に効率的。米国では同製品をロボットに搭載した実績が多く、国内でも自動化提案に力を入れる」と語る。
また4Dテクノロジーが開発中の表面粗さ測定機「4DインスペックSR」も参考出展。加工現場での高精度な表面粗さ測定を実現できる測定機で、ロボットとの組み合わせも狙う。
産業機械メーカーのスギノマシン(富山県滑川市、杉野良暁社長)は、多関節ロボットや探傷プローブなどを組み合わせた「超音波自動探傷システム」を出展した。
ロボットアームの先端にコの字形の固定具(ジグ)を搭載し、そのジグに探傷プローブを取り付けた。探傷プローブから検査対象のワークに水を噴射し、その水中に超音波を通して内部欠陥などを検査する。
「これまで人手作業だった検査工程をロボット化したいとの航空機関連のユーザーからの要望が開発のきっかけ。ロボットアームが部品形状に沿って動くため、航空機部品のインペラなど複雑形状も自動で検査できる」と担当者は話す。
(ロボットダイジェスト編集部 水野敦志)
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