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2020.03.17

イベント

製造業の川上工程でPF戦略と自動化が加速【後編】/ダッソー・システムズ

フランスの3次元(D)CADソフトウエアメーカー、ダッソー・システムズは2月9日~12日、米国テネシー州のナッシュビルで年次イベント「3Dエクスペリエンス・ワールド2020」を開催した。前編では、今回のイベントで発表されたプラットフォーム(PF)戦略を発表した。ダッソーが推進するPF戦略は果たして日本市場に受け入れられるのだろうか? ダッソー傘下で3DCADソフト「ソリッドワークス(SW)」を提供する、ダッソー・システムズ・ソリッドワークスのジャン・パオロ・バッシ最高経営責任者(CEO)に話を聞いた。

日本でも土壌はできている

インタビューに応じたジャン・パオロ・バッシCEO

――日本市場についてどう見ていますか。
 あるIT業界のアナリストから、製造部門でクラウド関連の質問が最も多く寄せられる国は日本だと聞きました。日本市場は成熟しています。今後はデジタル技術を取り入れ、業務効率をさらに高めるべきです。
 現在はドイツを中心とした欧州でデジタル化が進んでいますが、今後はインフラ基盤が強固な日本が先頭を走るでしょう。
 また、日本はイノベーション(技術などの革新)の国です。イノベーションは協業によって生まれますが、ダッソーのクラウドベースのプラットフォーム(PF)「3Dエクスペリエンス・プラットフォーム」はその協業を促進します。日本市場でPFを採用してもらう土壌はできています。

――セキュリティーなどへの懸念から、日本の製造業はクラウドへの抵抗意識があります。このような状況でもPF思考は受け入れられますか。
 イノベーションを生み出せない企業は、今後生き残れないでしょう。米国のアマゾンはPF戦略を推進することで顧客を増やし、実店舗を衰退させました。こうしたイノベーションはすでに実際に起こっています。製造業関連の伝統的なメーカーもイノベーションの機会を逃したら、事業の継続が難しくなるかもしれません。

人気のSWデスクトップ版は継続

「PFとSWの連携によって得られるメリットは非常に大きい」と語るバッシCEO

――今回のイベントの目玉となった「3Dエクスペリエンス・ワークス」が特に有効なのはどういう企業ですか。
 3Dエクスペリエンス・ワークスは、3Dエクスペリエンス・プラットフォーム上で動作するポートフォリオ(枠組み)です。 
 わが社は12の産業に向けて製品やソリューションを提供していますが、まずは中小企業やベンチャー企業がPFに移行するでしょう。これらの企業には、環境変化への素早い対応や柔軟性が求められるからです。PFを介してデータを連携させることで、こうしたニーズに対応できます。

――パソコンにインストールしてから使う従来のデスクトップ版のSWは今後、PFに完全移行するのですか。
 デスクトップ版のSWはなくしません。SWはデスクトップ版が一番人気ですが、PFとSWの連携によって得られるメリットは非常に大きく、将来的にはPF上でSWを使う企業が増えるでしょう。デスクトップ版のSWもPFにつなぐことで、わが社のPF戦略をさらに推進していく考えです。既存のSWユーザーをPFに移行させる施策として3Dエクスペリエンス・ワークスがあり、今回のイベントで①スタンダード②プロフェッショナル③プレミア――の3つのグレードに分けて販売すると発表しました。

――終わり
(聞き手・ロボットダイジェスト編集部 鷲見咲美)

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