[ショールーム探訪vol.31]幅広い産業に自動化を/トライテクス「ロボコラボ」
今年2月にSIer事業に参入
トライテクスは陶器の町として知られる愛知県常滑市に本社を構える。常滑市に3つある工業団地のうちの一つ「久米南部工業団地」に同社はある。アクセスには自動車が便利で、「知多半島道路」の半田中央インターチェンジから10分ほどで到着する。
同社はワークストッカーやコンベヤーなど、製造ラインを自動化する周辺装置を開発、製造する。工作機械メーカーや自動車関連の部品加工会社などに向け、約30年にわたり製品を供給してきた。
そして今年2月にはSIer事業に本格的に参入。本社工場の一画にショールーム「ロボコラボ」を開設した。「主要顧客の工作機械業界は需要の浮き沈みが大きい。工作機械業界内で各種ロボットを使った自動化への注目度が高まっていた背景もあり、わが社の周辺装置とロボットを組み合わせた自動化システムの構築を新事業にしようと考えた」と桑山裕章社長は参入の経緯を話す。
SIer事業では顧客を特定の産業に限定せず、幅広い産業をターゲットに据える。桑山社長は「もともとはものづくりでさまざまな困り事を解決するためにトライテクスを設立した。SIer事業でも、人手不足や高齢化などあらゆる産業の課題に応える提案をしたい」と力を込める。
ロボコラボでは現在、安川電機、デンソーウェーブ(愛知県阿久比町、相良隆義社長)、デンマークのユニバーサルロボット(UR)の3社の協働ロボットを展示している。「ロボコラボにあるロボットは全て安全柵なしで使える協働ロボット。省スペースで設置でき、展示機は3台とも台車に取り付けられているためメンテナンス時の移動も簡単」と榊原敏文常務は語る。
「自動車産業の関係者はロボットを使った自動化に詳しい人が多い。一方、食品や農業など自動化がまだ浸透していない産業では、ロボットになじみのない人もいる。そこで、複数のメーカーのロボットを用意し、実際に見て、触ってもらえるような場所にした」と桑山社長は展示の狙いを話す。ロボコラボは事前予約をすれば見学が可能だ。