[年頭所感]日本物流システム機器協会 下代博 会長
明けましておめでとうございます。
2025年の年頭にあたり、ご挨拶申し上げます。
昨年、国内は元日に能登半島地震が起こり、不安な1年を思わせられるスタートになりました。その後も線状降水帯による豪雨の多発や、過去最も暑い夏が長く続き日本の四季はなくなるのかと感じられるほど、自然の力に翻弄された年でした。そのような中でも、パリオリンピック・パラリンピックでの日本人選手の力あふれる活躍や、世界各地で活動するプロスポーツ選手の輝かしい記録の達成など、明るい話題も多かったと思います。
一方、世界情勢はロシアによるウクライナ侵攻は終息せず、イスラエル・パレスチナ情勢はますます深刻化し、今なお予断を許さない状況です。また、各地で超保守化・極右化、自国第一主義の波が広がっていくことも気がかりですし、今年に入ってからは米国・トランプ政権が復活することにより、各国の経済・景気に与える影響は少なくなく、不透明感を大きくしているように感じます。
さて、私ども物流システム機器業界におきましては、近年、深刻化する労働力不足を背景にして、物流業務の自動化・省力化ニーズの高まりを受け、より高度なソリューションを提供することに注力してまいりました。昨年4月を機にした「物流の2024年問題」に対しても当業界に所属する各社は荷主・物流事業者・ドライバーがいっそう共存していくために、生産性向上を一段と高めるソリューションの開発・提案にスピード感を持って取り組んでいます。
また、単に人に代わるシステム機器を納入するというだけでなく、ロボティクス・AIなどの先端技術をより多くのシステム機器に取り入れて、付加価値の高いソリューションを継続的に提供していきたいと業界一丸となって考えています。
物流システム機器(マテリアルハンドリング) は元来、重労働や単純反復作業を解消・軽減し、人がより創造的に暮らしていく一助となるための工夫や技術だと捉えています。これを原点としながら、社会環境が大きく変化し、物流が社会インフラとして位置付けられるようになり、そこで機能する物流システム機器は物流ひいては社会を支えるという大きな使命を担っていると思います。
当協会は、物流システム機器の提供を担う各社が事業を通じてその使命を果たすことに加えて、SDGsの達成、持続可能な社会の実現に向けて貢献できるよう、各種活動を進めて行きたいと考えています。同時に、物流システム機器事業に携わる様々な人が常に夢を持ち、挑戦を続け、社会に貢献する喜びを感じていただければと願っています。
最後になりましたが、本年も皆様の益々のご発展とご健勝を祈念申し上げ、年頭の挨拶とさせていただきます。