[エディターズノートvol.9]ロボット切削を知っているか?
今回展のトレンドといえば
ロボット切削では、産業用ロボットにスピンドル(回転主軸)を搭載し、先端に切削工具を取り付けて金属などを加工する。ロボットはさまざまな姿勢を取ることができ、大型機種ならリーチも長いため、かなり大きいワーク(対象物)まで加工できる。
従来、同様の加工をする場合は、門型の大型工作機械を使っていた。フランスの凱旋門は言い過ぎだが、浅草の雷門のように巨大な機械だ。それをロボットに置き換えられれば、大幅なコストダウンが図れる。
重厚な鋳物の塊で構成された工作機械と比べると、ロボットは剛性(変形のしにくさ)が高くないため、加工できるのはアルミ合金などのあまり硬くない素材に限られ、精度も工作機械ほどは高くないが、それでも役に立つ場面は多い。
各社各様の個性あるシステム
昨今、自動車業界では「ギガキャスト」と呼ばれる車体製造方法が注目を浴びる。従来は数十~数百の細かい部材をつなぎ合わせて自動車ボディーを作っていたが、「大きい金型で一括成形し、アルミの巨大なボディー部品を一発で作ろう」というのがギガキャストで、「アルミの大物部品」が増えればロボット切削のニーズは増えるだろう。
ロボットダイジェストを運営するニュースダイジェスト社(名古屋市千種区、樋口八郎社長)では、2019年に主催した展示会でロボット切削システムを企画展示するなど、早くからロボット切削に注目してきた。(記事リンク:「ロボットが金属を削る! 主催者企画が示す加工の新たな可能性/メカトロテックジャパン2019」)
これからもロボット切削から目が離せない。
(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)
※「エディターズノート」はロボットダイジェストの編集後記として毎月月末に掲載しています。
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